行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

死に対して無感情になって来た

 朝8時、新大阪駅発の新幹線に乗車して東京駅に向かう予定だった。昨夜遅く、ニュースにて災害級の豪雨予報が出て交通機関にも影響が出ると知った。

 直ぐに、出張と自宅への帰省をキャンセルする決断をして東京にて予定していたミャンマー連邦共和国の人材派遣法人日本支社長と同席を求めた息子にキャンセルのメールを送った。加えて、自宅の妻に帰省延期のメールを送った。


 午前中、突然、相続と遺言の相談を受けていた方の親族から電話が入った。今日明日のいのちだと報告を受けた。

 2ヵ月前に、地域包括支援センターから死後事務委任の相談があった。訪問して、ご希望や情報を受けた。

 すこぶる元気で、大きな声で気持ち良い受け応えて頂き支援に向けて意欲を持って臨んだ。地域包括支援センター職員の事前情報では、がんの進行が懸念されるとの事だった。

 面談時には、そんな懸念など微塵も感じられなかった。私の悪い癖で、財産の確認もせずに契約を交わしてしまう。

 この日も同じで、自宅ローンの月7万円支払いが終わって、その分が毎月残るのと自宅をリースバックにして売却代金を貰って住み続ける希望に沿った実現に向けて動き出した。

 奥さんが昨年亡くなって、住宅の持分の相続手続きを行なっていない。実は、奥さんの連れ子としてお二人の娘さんがいると聞いたが、相続手続きを取っていないばかりか、現在独居老人となっている相談者とは交流が全く無く反発心が強いと言っていた。

 そんな中の訪問で情報を得たが、現在居住して居る物件の相続人を兄弟の奥さんに指定して遺言の作成を依頼されたので、費用が余り掛からない自筆証書遺言を勧めて、下書きを終えていた。

 いよいよ、容態が悪化して来て入院して戻って来れるか、という症状になって来た。訪問して、住宅のローンが終わって、リースバックを希望したので業者を紹介して同行した。

 何と言っても、ローンの完済でも抵当権抹消手続きと奥さんの持分の相続手続きをしないと何も進まない。生前及び死後事務委任契約を交わして、現在の財産の確認をさせて頂いた。

 何と、通帳にはほんの僅かアルバイト1時間程度に毛の生えた数千円だけしか無かった。これでは、何も出来ない。全て、病院の支払いに充てられていた。

 ローン支払いの7万円が無くなったのに、それさえも医療機関の支払いに充てられていた。入院していたご本人と電話でお話しして、心を鬼にして親族に出来るだけの事をしてもらう様にと。

 一旦、気持ちが離れて他の案件で忙殺されて居る中での親族からの危篤状態との連絡で、未払いのものが有るのかどうかの問い合わせも合わせて頂いた。相談料や出張費駐車場代などの費用は取らないので、有りませんと答えた。

 

 続いて、先日、生活保護受給者で看取り含みで施設に入所していた方が亡くなった。初めての経験となった事案を多く含んでいた。

 当初、集合住宅所有オーナーから、立て替えをする中で、寝たきりになって自立しているが転居が出来ない入居者への支援を60万円で請け負った。

 面談して直ぐに入院してしまった。退去手続き迄はオーナー、居住者、私の三者契約で経費はオーナーから、私に渡されていた。

 戻れない入院して、形式上退去したので、一旦、私の業務は終わった。その後の各種手続き、具体的には退院支援と施設入居支援、生活保護費を管理する金銭管理そうして事務委任の受任をする事で、市役所からの依頼もあって、入院先の病院へ赴いてICUに入って居る当事者とリモートにて面談を行った。

 意思表示はしていただいたが、肝心のキャッシュカードの暗証番号か銀行印には具体的な言葉が得られず、実質仕事が出来ない事を理由に依頼を断った。

 暫くして、看取り含みで入所した施設管理者から電話があって、銀行印が特定出来たので担当して欲しいとの依頼があって、市役所からも担当して頂ければ助かります、との言葉に受任する事にして施設に行ってご本人の意思を確認して契約を交わした。

 その後、預金先の金融機関に行って事情を説明したが、暗証番号の変更か確認、住所の変更、代理人の指定など全てご本人が来るか自筆委任状などが無いと何もできない、との確認。

 問題は、自動振替、自動引き落としの停止が出来ない。携帯電話はご本人しか解約出来ないなどの壁に対抗する為に、残高0にする為に全額引き出した。

 加えて、市役所にお願いして生活保護費の振込から手渡しに変更して貰った。これで一安心だが、預金残高が殆ど無くて自分の報酬は得られないと覚悟した。

 そうして、一月後の先日、ご本人が逝去したとの連絡を受けた。マイナスになる恐れのあった預金残高が、何とか回避出来るかなと思った。

 昨日、施設入所で清算した金銭の返金があったので受け取りに行った。生活保護費と施設経費の差額は数十円の残だったが、全て生活保護費で賄える訳ではない。

 僅かな年金分がマイナスされる。生活費見積もり通りでは無いのが現実だ。

 亡くなったので、施設保証金10万円が戻って来る。これは、私が立て替えていた金額で戻って来る。先払いしていた施設経費は数万円。

 僅かな年金で負担した分の、生活保護費分を返還するから私へ戻って来るのが十数万円。私が個人的にに立て替えした金額を除いて、残金を合わせれば10万円弱が残る。加えて、今月に入金される年金があるので、規定通りの報酬が得られそうだ。

 午後になって、中国人の高齢女性から転居支援の相談があった。話しの内容が断片的で理由はよく分からないが、事故に遭って保険金が入るので保護が打ち切られると言う。

 事故の後遺症と喘息で、話しが続かない。我慢の精神だ大切だと自分に言い聞かせて、時々、気まぐれに冗談を言っていた。

 「こうちゃん、と呼ばれて居る。」

 と、言ったので、呼びかける時に

 「こうちゃん」

 と言う。

 喘息で咳き込んで、何と6日迄に立ち退く必要がある様で、地域包括支援センターに当方を紹介されたとの事で、気落ちして元気がなかったのが、

 「こうちゃん、と呼んでくれて元気が出てきた。ここに電話して良かった。」

 と、言ってくれて単純に嬉しかった。

 午前中に、上京予定が雨でキャンセルになって、その為かどうかやる気が削がれて気が乗らない事務処理を行っていた。

 住民税算出に計算ミスがあった職員のデータ修正を行って発送した。成年後見関係の郵送先が違ったと指摘を受けた件について後処理を行った。

 大阪府への居住確保要配慮者支援関係200万円補助金申請に対して190万円の決定通知が届いた。