行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

明るい独居高齢者でも、話し相手が欲しいとしんみり。

  この様に、1円も無いさあどうしてくれる、と明るい方にアセスメントを行ったが人生の終活に向けインストラクターにでもなって欲しい、と話を聞きながら思った。
 地域包括支援センターからの相談だった。
 心の底では、この地域の相談事はお金になる話しに通じた事が無いので、期待値ゼロで無から有を生じる事例検討の積もりで、との意識で気楽に臨んだ。
 さて、地域包括支援センターに約束の5分前に着いた。既に相談者は来ていた。最初の挨拶から、明るい方で、気を緩む程だった。
 相談内容を聞いた。紙を出して来て、そこに心配内容、詰まり解決したい課題が羅列してあった。死後事務全般である。
 火葬、家の処理、役所への届出、遺品整理、納骨、などなど。しかし、問題があって、金銭的な余裕が全く無い。
 所持金は最低程度の火葬代位で、後は爪に火をともす生き方、生活をしているという。
 「収入は、国民年金のみ。後は、一銭も無い。」
 自宅があるが、連棟で処分出来ない。元気なのは良いことなので、年齢を聞いた。何と、卒寿直前だった。全く、その年齢には見えない。未だ、70代でも通用する。
 そこから、人生の起点を聞いた。外地で終戦を迎えて着の身着のまま引き揚げ者だという。生死を彷徨い苦労して引き揚げて来た頃の話しを聞いた。
 九州の故郷に帰る事ともなく、関東地方で母親が兄妹4人を育てたと言った。それでも、学費の工面が出来ず、学歴を得ることが無かった。
 「こんな話しを、余り他人にした事がない。」
 と、言っていた。
 こんなに苦労して生きて来ても、明るく元気な方が、最後に、ポツリと言った。
 「話しをする人がいなくて、やっぱり寂しい。」
 ジーンと来た。
 何か、そんな場を作ってあげたい 
 同じこの日の夕方、コロナ禍で貧困に苦しむ人を追った特番を見た。
 若い20代男性が、派遣の仕事が無くなって、ホームレスになろうとしていた。貧困対策のNPO法人に助けを求めた。駆け付けた代表が、生活保護を得られる様に支援するという。
 20代男性は、どんな仕事もするし時間も厭わない、とアピールしても派遣されない、と言うが例えば介護の仕事は、施設関係は無資格でも仕事に就く事ができるし障がい者施設も同じだ。
 本人の問題かNPO法人の問題か、就労に繋げる知識もスキルも無いので、安易な方向に向けた支援しか出来ない。