何という、不運な事だ。関わっている人だけで無く、自分や身近な人にも不運は起こる。明日朝、三輪さんと菊ちゃんは東京へ出張する事になっていた。毎年、社員教育の一環で大阪から全国へ出張させたり一緒に連れて行く事を２０年以上続けている。

　その今年の最初のプランが、全国居住支援法人全国サミットへの出席を申し込んでいた。彼女たちは2度目の参加で、旅程を楽しそうに決めていた。

　もう何度も東京に連れて行っているので、折角の出張だが観光する場所などを決めるのに手間取っていた。浅草、皇居、葛飾柴又、神田明神、湯島天神、月島もんじゃ通り、氷川神社、芝増上寺、東京大神宮、原宿、明治神宮、六本木、青山、渋谷、吉祥寺、新宿、などの名所旧跡など、加えて観光バスでの観光など殆ど行っている。

　聞かれて色々と提案して、深大寺に決まった。処が、１１日にサミットがあって翌日にどこに行くかで宿泊場所を決めるので、新宿に宿を定めた。しかしながら、天気予報があいにくの雨。それも、その１２日だけ雨模様という不運だった。

　一番の問題は、菊ちゃんは癌サバイバーで、体調の変化には十分気遣わないといけない。特に風邪をひかないように、と医師にキツく言われている。その言葉を肝に銘じて、私も勤務の管理を行っている。

　健康診断を会社が経費負担して毎年受診するように厳しく言っていた。それが、体重が分かるのを極端に避けていた菊ちゃんは、やっとその忠告を受け入れて受診した時に、肺に大きな白い影が発見されて深刻な状態だった。

　私もどうして良いのか分からず、励ます席を設けて３０人ほどの社員で設けた。しかし、雰囲気はお別れ会になってしまって、涙涙の席になっていた。その席で菊ちゃんは、

　「佐藤さんと仕事を続けたい。」

　と、言って泣き崩れた。

　その時に、何とか守りたいと心に刻んだ。しか、菊ちゃんは引き篭もって鬱症状を発症して、心配な状態の上、迷惑を掛けるので退職したいとの申し出もあった。

　何とか押し留めて、治療費の負担も膨大なので、会社に留まって健康保険を使って辞めないように説得を繰り返した。出勤出来ない数ヶ月も欠勤なども記録せずに通常の給与を支払い、これまでの貢献に報いた。

　辛い放射線治療、抗がん剤治療など耐えに耐えて、医師も驚く忍耐力で厳しい治療を受けて来た。今年で５年目になるが、徐々に仕事も以前のように確実性と信頼がおける実績を示し初めて、責任ある仕事に就いた。

　仕事があるので、やる気が起こって良い方向に行っているとの事を聞いて嬉しい限りだった。

　その嬉しい思いがあって、次のステップと思っていたが、先程、メールで喉の痛みを訴えて来た。風邪は万病の元だと言われるので、ここで風邪が本格的に引かれたら、悔やんでも悔やみきれない。

　ここ数日、天気も悪くて、寒い。金曜日のイベントの疲れや、お昼に入った寿司屋でタバコをスパスパ吸っている女性がいたので、私も何度も咳き込んでいた。イベント会場は満席だった。終わってから、新大阪にて居酒屋に入って長時間過ごした。

　色々と、私も気を許してしまった。明日の６時まで、結論を待っていると返事を返した。しか、数時間後、熱が無く喉が痛いだけだったが、鼻水が出て来たとの報告と今回は断念する、との返事だった。無理強いする訳にいかないので、私が代わりに行く事で収束した。

　とすると、火曜日は午後２時から銀行との約束があるので、東京での翌日の予定は白紙で蜻蛉返りのようなスケジュールで戻らないといけない。

　いつでも、ハプニングが起きても慌てる事なく、冷静にいつものように過ごして、社員に同様や責任感を負わせないようにします。

　今日の朝もいつもの通りに出勤して仕事をした。寒さは相変わらずで、僅かだが白いものが降っていた。

　昨日に続いて、経費処理を行った。昨日の１月分の続くと２月分を終えた。後は、私のクレジット分をつけたして、溜まっていた未処理分が終わる。

　時間を得て、成年後見の本人申立の様式打ち込みを行った。本来兄弟が申立人となって昨年中に申立を行う予定だった。最後まで進んで、私も成年後見人候補者を依頼されていた。処が、その兄弟が成年被後見人の余りにも多い債務に入院や入所の保証人に嫌気がさしたのか、連絡が取れなくなった。

　成年被後見人が入院していた病院も何度も連絡したが、全く連絡出来ない状態となって頓挫してしまった。そうして、各種書類見有効期間が切れてしまって、再度、最初から成年後見審判申立書の作成に、私も委任状を受けて書類の収集に駆けずり回ったが、また、期限切れが発生する書類が出て来た。

　皆さんが、逃げる案件で、私も成年後見人候補から下りた。多重債務者は負担が大き過ぎる。福祉や訴訟専門家にお任せします。

　一休みして、うるさく電話して来る、車両の保安をお願いしている、ディラーに行って保険の手続きをしてからスーパーに行って必要なものを買って戻って来た。