行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

死期が迫ると、疑心暗鬼になってしまうのか。

 以前、こんなことがあった。多額の財産を所持しながら、半ば強制的にGHに入所された方の財産管理を依頼された。面談して、信頼を得て、支払いや希望する事項など聞きながら対応し、また、銀行へ同行して財産の確認を行ったりした。
 その銀行では、掌紋認証だけ登録がなされていた。多額の預金者で銀行の別室で掌紋認証の手続きを行おうとしたが、その手が麻痺している。血液の循環が悪くて冷たくなっていて感知しない。身体認証は、その時に体温が低ければ反応しないと知った。
 その方は、死期が迫って来ると自覚して、私に預けていた通帳の類を全部返してくれと言って、財産管理の契約は終了した。その数日後、亡くなった。その後の、手続きは機会のある時に。
 その思いを、蘇らせるようなこの日のことだった。
 死後事務委任者が金銭を知人に預託していた。その知人に、私は代理人として返還で入金手続きをして欲しいとメールした。会いたいと言うことに対しては返事がないし、必要な預けてあるものを取りに行く、と言ったが郵送するので住所を教えて欲しいと言う。金銭については、ご本人が、直接言わないと、実行されない恐れが出て来た。
 その、死後事務依頼者は死期を悟って来た。最近、面会するごとに、
 「先は長くないから。」
と、吐くようになった。
 それに合わせるように、精神的な不安と疑心暗鬼な思いを出して来たと感じて来たので、私自体、依頼を失わないなどと無理はしないので、契約書上私からもいつでも解除出来るので、その思いが頭をよぎる。
 その思いが揺れる中、多額の施設利用料など支払い手続きのために通帳を預かりに行く日程の調整を求めた返事は、私にとっては不快の極みに近い言葉使いだった。
 私のそれに対しての返事は、言葉自体柔和だったがご本人にとっては突き刺さると後から知った表現をしたようだ。
 私が依頼者に対する言葉は、何を言っているのか、自分がとった手続きが未だ終わっていない、と言いたかった。
 この朝、私の言葉の裏付けとした文書の証拠画像を添付して送った。依頼者は自分の誤解を招く言葉は、死期が迫っている依頼者に言わせたくなかった言葉をメールで送って来た。最後は、疑心暗鬼になって、財産の返還を求めて来ると思ったので、事前に返付した。
 人生の終末に、つまらないやりとりは避けたいと思っている。しかし、特別な感情は無い。冷静に対処したい。自分の時にも、そうして欲しい。