行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

債務超過者への個人財産投入

 落とし所は予測が付いていた。なので、朝、金銭管理等委任契約書の原案を慌てて作った。10時と言う約束時間は、遠方の割には早過ぎると思ったが、仕方がない。関係者が集合出来る時間がそれで無ければ、となれば妥協する他ない。

 先週1回目の面談をして、生活破綻の急坂を転げ落ちている老夫婦の危うさをなんとか救いたいと相談があって自分なりの受任した場合のプランを提げて東大阪市に向けて事務所を出たのは9時過ぎだった。

 出勤して直ぐに今日の午前と午後の予定に合わせた資料の準備をした。出発迄、2時間半しか無い。午後の、東京から来る居住支援法人協議会設立メンバーの方との会議資料をコピーするのにも、資料の検索などに予想以上の時間が掛かってしまった。

 次は、9時に出る金銭管理等委任契約書の印刷だけと思っていたら、半分しか作成していないのが分かって慌ててプラス作成する。

 その他、依頼していた司法書士から依頼の案件が終えたとの報告と紹介の御礼と年末のご挨拶を頂き、その後返礼を行った。

 9時を過ぎたので慌てて事務所を出た。そのまま、東大阪市中石切へ向かった。午前中にしては、道路は混んでいなかった。順調に着いた。その後、居住支援事業者、地域包括支援センター二人、ケアマネジャーと着いて6人の外部者が揃って相談者宅に入った。

 旦那さんが緊急入院したので、奥さんが昨夜から病院で過ごしたと言うが、完全看護の病院で本当か。早朝帰宅してこたつに潜って休んでいたと、半分寝ている様な状態だった。

 しかし、その状態に合わせている訳にいかないので、一方的にケアマネジャーが今日の訪問説明をする。相談者の奥さんが、驚いた事に低姿勢でお願いします、と言う。

 そこで、準備して来た基本的金銭管理契約書を示して、条文の説明を始めた。同席の方々にも原案をお渡しして一緒に見てもらう。一通り説明してから、この条文に書いていないお話しをした。

 つまり、現時点で200万円近くの未払金が有るので一括して私が支払ってしまい、負債を一掃してから金銭管理を行う。その為に、旦那さんの年金を私が管理する。老夫婦の生活は奥さんの年金で賄う。

 家賃の負担が大きいので、現在の半額程度の家賃物件に転居する。これまで、9か月の未払い家賃が発生していたが、毎月増えていっている。63万円に達している。その他、水道代が6年分18万円、治療費40万円以上、電気、ガス、などケアマネジャーがメモした20箇所への未払い金がある。

 特に、家賃の未払い金がある限り転居が出来ない。何故、こんなに多額の未払金が発生しているのか。疑問の点だが、薄々気付くことがあるが確定では無い。

 年金が一般の平均より多いのに、何故、こうなっているのだろうか。

 その私の一括返済して、旦那さんの年金を私が預かって、日常の毎月の支払いを私が行うことには同意した。

 通帳を見せて頂いて、確かに入金は正しく伝えて頂いた。1月に正式契約後預かりを確認した。しかし、問題が発生した。キャッシュカードが、操作ミスで使えなくなった。カードが使えないと、簡単に振込や引出しが出来なくなる。手間が掛かるし、通帳と印鑑だけでは継続した管理と目的が完遂出来ない恐れが大きい。

 困ったことになった。格好つけたは良いが、実行出来ないとなると、信用を失う。ケアマネジャーや地域包括支援センターが話し合って、旦那さんが退院して来た時点で、地域包括支援センターが旦那さんを銀行に連れて行き、キャッシュカード発行手続きしてくれると言う。

 私の方が、それに加えてネットバンキングができる様に手続きをしてくれる様に、お願いした。

 そうすれば、省力化出来る。ケアマネジャーが、私の提案に、軽い言葉でありがとうございます、と言って頭を下げた行為を見て、耳が遠い奥さんに大きな声で私が個人で未払い金を一掃してから、生活の再構築をする事を伝えてこれほどまでしてくれる人は居ない、と力説するのでまた奥さんは頭を下げる。

 私は、自分が受けた金銭管理と生活再建をして見たかった。また、年金が多くて、立て替えた金銭は容易に返済される事が分かったので実施するのであって、考えずにやるわけではない。喜んで貰えて、実証出来て評価されるのであれば、それで良いのだ。その様な説明をした。

 早速、家賃の安い住居への転居先探しからお願いした。リスクは飲み込んだ。

 1時間程で退去して、新大阪駅に向かって行く。2時から、新大阪駅前の貸会議室で、居住支援関係の打ち合わせがあるのだ。東京の協働する居住支援事業法人執行役員が2時頃到着するので、向かった。

 1時間で、新大阪駅に着いていつもの「築地魚がし日本一」にて、久しぶりにお寿司を頂いた。

 そこまでは、ギリギリ順調に進めて予約した会議室に向かった。その会議室ドアに暗証番号を入力して開扉させるのだが、その取り扱いを印刷したはずのペーパーが見つからない。探したが、バックの中に入っていない。それが無ければ、業者の連絡先も分からない。

 幾つか暗証番号入力したが、ダメだった。ネットで調べて見ても、業者を知る事が出来なかった。情け無い。

 隣の、「新大阪ホテル」に場所を変えて会議を行うことにして、東京からの参加者を迎えて、何とか会議の実施に漕ぎつけた。

 寒く、冷たい風が一層厳しく感じた。