行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

人の苦労を知って

 ケアマネジャーが孤軍奮闘して、その方が担当している利用者の成年後見審判申立の手続きをそのケアマネジャーが時間を掛けながら準備して、もう少しで申請出来るところ迄進展した。これ程迄身を賭して利用者に向き合ったケアマネジャーは初めてだった。

 私は、成年後見人候補者として、何度か利用者と面談していた。第三者的な見方で、進展をそれ程気に掛けて居なかった。

 ケアマネジャーとは、長い付き合いで、と言っても1年くらい。私は、人付き合いが悪く1年でも関わっているのは長い方だ。

 気が合ったのか、その成年後見人候補者とは別に、

 「佐藤さん、相続だけどやる?」

 と言われて、詳細を聞かずに

 「ハイ。」

 と、返事したのは、馬が合うからだったと思う。

 「実は、私の家の相続だけれど。良いですか?」

 「勿論。」

 と、言ってスタートする。

 私が、助言して資料をお願いしその準備が早い事、次々と兵庫県や東京都の相続人の印鑑証明や住民票を集めてしまった。

 その手法は、成年後見審判申立の準備で、被後見人の九州地方にある本籍地に郵便で戸籍謄本を取り寄せたりしてスキルが備わった様だ。実践に勝る学習はない。

 そのケアマネジャーから、残念な報告があった。その利用者の認知症が進んで一人住まいが厳しくなった。その為に施設への入居を進める事になった。自分の勤務している総合福祉法人の入居施設には空きが無く、他市の適切な施設を検討していると。

 私が、もう少し早くお手伝い出来ていれば、と後悔しながら委任状を持って大阪法務局に向かった。「後見がついていないことの証明書」を受け取りに行った。

 早目に動く事が出来なかった。他の方の委任状も受けて一緒の手続きに行こうと思っていた。丁度、先日、受任した被後見人の登記事項証明書も合わせて受け取りに行った。

 こんなアナログな事をしていたら、折角、頑張っている方の期待に応えられない事になってしまう。長男に頼んではオンラインで大阪法務局からの証明書を取得出来る様にして欲しい、と頼んだ。

 午前中、その法務局にて手続きを午後から行う為に準備を行った。

 その資料準備の間を縫って、門真市役所生活保護課から電話があって、生前及び死後事務委任契約を結んでいた方が亡くなった件について清算手続きの話しがあった。

 その方が生活を営む生活費が不足した分だけ保護費を受給していた。その清算をする為に返還金確定額の連絡だった。やっと、清算が終われば、私の報酬が確定する。

 続いて、数日、お互いに追い掛けあってやっと電話で話しが出来た。四條畷市の福祉総合施設副施設長からの電話でお話しが出来た。

 その施設からサービスを受けていた方が亡くなった。その数ヶ月前に、私と生前及び死後事務契約を交わしていた。しかし、預託金どころか通帳を見せて貰ったが、管理するに値しない残金だったので、契約書に謳った条文の実行は出来なかった。

 自宅は個人の所有物だと聞かされた。複雑な複数人の所有物で、加えて、相続手続きや抵当権解除など多くのやらなければならない手続きが放置していた。その手続きを行うにしても、お金の掛かる仕事で無償では出来ない相談だった。

 数回面談したが、何も手をつけられないまま、

 「お金が貯まったら連絡下さい。」

 と、言って終わってしまった。

 その一月後、末期がんと聞いていた通り、亡くなったと義姉から電話があった。

 あれから、既に、数ヶ月経過していた。この総合福祉法人副施設長から聞くまで、ケアを受けていて、義姉から請求書を送ってくれと言われて送ったが、相続放棄をしたから負債の清算が出来ないと言われたとの事も初耳だった。

 そうして、私への用件がその詳しい経過だと言う。処が、前述の通り私は全く関わっていなかった、と説明して、

 「私共、サービス事業者はこの様な場合、泣き寝入りする他無いのでしょうか。」

 と、言われて相続人から依頼があれば相続手続きをお手伝い出来ますが、時間が掛かると説明した。

 

 午後1時から、三菱総合研究所の未来共創イニシアティブのベンチャー会員となっているので、目的のビジネスで社会課題を解決するセミナーとワークショップにzoomで参加するので、一旦マンションに戻った。

 軽く、昼食を摂って再び事務所に戻った。zoomをセットして、今日から4回に亘る地域の課題をDXを取り入れて解決する話題提供と先行事例を1時間半受けた。

 50を超える自治体と13のベンチャー企業が参加した。私としては、自分が携わっている居住支援と空き家対策と街づくりを融合させた解決策を描いているが、ヒントが得られればありがたい。

 それとは別に、先日、オンラインで大阪府主催のM &A登録専門家の6時間の事前学習と理解度テスト30問があったが、そのテスト結果通知があった。標準点を上回っていると。

 登録して、審査が通れば大阪府ホームページに掲載されて一定の作業をする事で、1ケース数十万円の報酬が支給される。

 2時半から事務所を出て、大阪市中央区の大阪法務局に向かう。待ち時間が長かったが、必要な複数の証明書を4通を手に入れ階下の喫茶コーナーで暫く息抜きした。

 行政書士会から会員証更新の封書が届いた。2度目の更新になる。行政書士業務に時間を割いたのはコロナ禍が本格化した時期なので実質2年半程度の実務だが、登録は10年前だったとこの通知が来て知った。