行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

高学歴者の哀れな見栄

 

 この日は祝日なのか平日なのか、全くハッキリせず、そのまま仕事に入った。ただ、祝日や週末と平日では朝の準備が異なり、心も異なり週末や祝日だと穏やかになってゆとりが得られる。

 毎日、休みなく午前中はほぼ決まった時間の経過を過ごすが、仕事は何の変化も無い。心だけ異なっている。

 メールを最初見るのだが、昨日、元弁理士で統合失調症の病を得た知人が雇ってくれと、助けて下さいと懇願して来たが婉曲に断った。

 弁理士として私に接していた頃は、東京大学と京都大学の大学院を出た事を鼻に掛けて、横柄な態度と他人を見下していた。その上、言葉に棘がある攻撃的な言動が多々あった。

 勿体ぶった異常な印象しかない。時には、人が変わったが如く、急に起こり出す。当社の社員が一番嫌いな人物だった。

 それが、頭が良すぎたのか、統合失調症という病を得た。もう6,7年になるだろうか。その間、1回だけ電話とメールがあった。完全に病人だった。

 処が、今回は元気で常人となっていた。しかし、障がい者施設に入所して障がい年金で生活していた。その彼が、結婚したい女性がいると言っていた。

 その女性は障がい者でお子さん二人も同じだと言っていた。

 その親子に支援をして欲しい、そんな要請で突然、連絡があった。例え、わだかまりがあっても、罪を憎んで人を憎まず、の精神を持って接した。

 その結婚相手の方と夕方から深夜、翌朝午前3時過ぎまで連絡しながら情報を得た。そうして会社に出勤してパソコンのメールを見ると、彼から何通も雇ってくれ何でもする、と言って来た。

 一番幻滅したのは、掃除でも何でもします、という件だ。掃除などして貰って、一体給与は何で得られると思っているのだろうか。その上、あの横柄な言動から卑屈な言葉に変わっているのも信用が置けない。

 そんな印象で、応募して来て履歴書と業務経歴書を何通も送って来たが断った。東京大学や京都大学の成績表なども幾つも添付して来たが、全くの興醒めだ。

 誰が、そんなもので魅力を感じるのか。50歳を超えても尚且つ、そんなものにすがる人材など歯牙にも掛けない。

 その断った翌日の今日の朝、彼のメールの発信が昨日だが、私が目にするのは連日午後は外出しているので翌日になる。

 諦めが悪くて、本性が出ていた。断られた腹いせに、私が高齢者だとバカにした言い方で、溜飲を下げたようだ。

 「佐藤さんは、年齢が高いので仕事より健康に気をつけて」

 一見、普通の言葉のように感じるが、私は彼の性格をよく知っているので、その真意が痛いほど分かる。

 その結婚相手の女性は、彼が〇〇ニックに入ると言っていたと言ったが、それも奴の虚言なのを知った。何と言っても高級住宅街の4LDKの家で暮らして行くので、とか言っていたがそれなのにわたしに雇ってくれと言うのはおかしい。

 とすると、ケアサービスや成年後見などの依頼は無くなるな、と思った。加えて、彼女が現在居住している淡路島への、サービス提供の事前に面談に出掛ける約束を彼女と行ったが、どうやら無駄になりそうだ。

 

 さて、連日、続いている精神病院への本人が納得しない入院してをさせられている当事者から、今日も朝電話があった。

 昨日と同じ様に、助けて下さい、出して下さいと叫ぶ電話が来た。その電話に対して、昨日、聞いた何処かに権利を申立てる先の電話番号が書いてあるものが無いか見て貰った。

 そうすると、大阪府精神医療審査会という連絡先の書いてあるものが見えたようで電話番号を教えて貰った。

 そこに私が掛ける、同時に退院請求は権利だから本人が訴えるように伝えた。中々、出られないイライラを私にぶつける。何で、何も出来ないのか、と言われて冷めてしまった。

 私は、人権相談室にて今後の金銭管理や事務委任などの依頼を受けたが、契約は未だだった。だから、幾ら何を言おうが、全く無関係の立場だった。そんな立場で何が出来るのだ。

 その大阪府精神医療審査会の電話番号を聞いて、電話した。確かに、相談者よりの返事を頂いた。その電話をしている最中に、相談者から電話が入った。しかし、こちらは話し中だ。万事休すだ。きっと今日はもう掛けて来ないだろう。 

 電話は一方通行だ。その上、明日から8日までゴールデンウィークだ。その大阪府精神医療審査会は明日から休みだ。その相手から、直接審査会に電話くれるように言われていたのだが、電話を切った段階で、留守番電話になっていた。

 もう、来週、月曜日迄終わりだ。

 11時過ぎに事務所を出て今日も徒歩で死後事務所委任行為を行う為に、銀行に向かう。

 死後事務の最終の打ち込みだったが、最終請求した額が入っていなかったので、もう少し〆には時間が必要だ。

 戻って来ると、いつも電話で相談事が長い方からの電話だった。今日は2回で、44分だった。

「生活保護受給者になると息苦しさを感じる。いつも監視されているようで、自由が拘束されている様で。」

 「それは仕方ない。他人が納めた税金で暮らしているのだから。」

 そう何度も言ったが、相手も同じ事を何度も言っていた。

 生活保護を受給するのは権利だ。しかし、その負担をしているのは誰か考えて欲しい。