個人情報の大事を自覚する事例
あれこれ考えるが、じっくりと考える時間がない。結局、誰かに聞かれて答えるときに一番考えて居る。
ある精神障害者が入院している国立病院機構から退院支援の依頼があった。懇意にしている不動産屋さんに条件を付して依頼した。
わざわざ、奈良県から担当のMSWと精神保険福祉士が本人を伴って、ここの私が居る事務所まで来て退院して住める居住の確保依頼があった。
それが中々決まらない。通常なら半月で審査も決まるのだが、長い間イエスかノウの連絡も無い。国立病院機構のMSWが審査がどうなったのか何度も私に問い合わせがあった。
その度に、不動産会社さんに私が、やまびこか伝言ゲームのように審査がどうなったのか問い合わせる。
「明日くらいに連絡が来ると思います。ダメだと連絡が来たら何とかします。」
そのようなニュアンスで、何度連絡を貰って何度同じ言葉を返事したか。
その返事を貰えば、安心する。その安心しているのは、全て私の言葉だ。その繰り返した挙句に、連絡が来た時に何と無責任な返事だった。
他の案件の報告の後に、
「審査が通らなかったので、絶対に大丈夫な融通のきく物件を紹介しました。」
何とかする、と言ってわざわざ奈良から来て障害のある依頼者が決めた物件を、何度も何度も問い合わせしたのに、結果的にはダメでした、とは無責任だろう、と
「何でダメだったのか、理由は何ですか?」
「やっぱり、病気が気になったようです。」
「病気って、精神の事ですか。」
「はい。」
「それを、君はオーナーに言ったのか?」
「はい。」
「それは、君の判断で言ったのか。」
「病院のMSWに聞きました。」
「誰から聞いてもいい。MSWが外部に言ってもいいと言ったのか?」
「聞きましたから。」
「聞いたかどうか聞いているんではない。君の判断で、外部に言ったのかMSWに言ってもいいと言われたのか?」
「一応、不動産のルールで病気の事は伝えないといけないことになっているんです。」
「そんなルールを聞いている訳じゃない。その精神病というのは個人情報だ。それを誰の判断で言ったのか、君個人の判断で精神病だと伝えたのか。」
「決まりがあるんです。」
「何で、俺が聞いている事を答えない。その情報を国立病院機構のMSWが外部に伝えてもいいと言ったのか。もし、伝える時には当事者の同意を貰ってから伝える。それはしていないと思う。大変な事を君はしているのが分からないのか。」
そう言って、私が経験した大きな問題というか、自分の身に降り掛かった事例を話した。
やっと理解をした。しかし、この件で私は信頼を失ってしまったのだろう。
軽微な犯罪を犯した者を収容している社会復帰を主とした、刑務所ではあるが名称は社会復帰センターから、以前と同じように居住確保から始まる支援依頼があった。
この支援を、依頼するのは別の不動産事業者だ。私と一緒にわざわざ他県まで出掛けて面談をして、受け入れた。
再犯を犯した。逮捕される。そうすると主のいない部屋に残置物があるので、家賃が入らない。無駄な日時が過ぎて行く。大家さんへの責任は彼が負う。
自分が出来る事は、彼の負担を無くすこと。そのシステム構築で動いていて、何とか出来上がった契約などの成果物を実行に移して行く。
朝から、嫌な雨だった。10時に出て1時間で、大阪市内天王寺にある大阪自動車税事務所に行って、被保佐人が相続した車両の廃車手続きに必要な未払いの自動車税納付に行って、帰り乍ら、銀行やコンビニに立ち寄って支払いなど行って、事務所に戻る。
明日、施設での新たなシステムの実行する為の、契約書を何種類か作成した。大事な、今後に繋がるメッセージを作成して送信した。
午後4時から6時半までの2時間半には、大阪府職員を迎えて補助金実績の確認と資料提出した。
今日も居住確保要配慮者からの相談が複数あった。このような相談が連日続く。日本の貧困率は急速に進んでいる。住む家を失う。生活が出来なくなる。収入が無くなる。
精神が不安定になって、電話を掛けて来た方の応答をしている自分を意識しながら、言葉が続かない、電話の先にいる方への声掛けは沈黙を破るのは自分なのか、電話の向こうにいる相手が話しを再開するまで、待っているのか未だスキルがない。今は、何かのことばを発するまで待っている。
子供にDVを受けて、逃避している母親からの電話があったが、居場所を私にも告げられない。自分のいる場所も何処なのかわからない。たとえ、その場を言ったとしても、また、移動して何処かに逃げて行くと言っていた。
我が子に家を追われて、逃げても恐怖心に苛まれる、人生の終盤に悲しさを禁じ得ない。
この世の中は、おかしい方向に向かっている。教育が全ての責任を負っている。じわじわと自分の身に襲い掛かって来ている。
明日も目覚める事が出来るだろうか。
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