行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

こんな相続人とこの様な官僚も

 午後1時に、車で2時間の遠方の相続手続き相談者と面談した。相続手続きを依頼して置きながら、被相続人の通帳や印鑑を手放さない。意味が分からない、馬鹿馬鹿しさだ。

 何故、被相続人の通帳や銀行印自宅の鍵などを持っているのか分からない。家の鍵を渡されたが、鍵を持っているから当然だが被相続人が亡くなって家に入って、金目の物を持ち出している様だ。

 その上で、あれこれと言うが、気持ちは全く乗らない。最低限の事だけしたいと思って話を早く切り上げたいと思っていた。

 問題は、銀行へ行って被相続人の口座からお金を引き出そうとしたが、銀行が不振がって引き出しを拒否されたと言う言葉を聞いて、何故か問い詰めたが、理由をハッキリ言わなかった。

 相談者夫婦の夫が席を外した時に、妻が言った。

 「私が銀行に行って手続きを取ったので、男性の名前の通帳なのに不審がられて拒否されました。本人と連絡を取りたいと言われて、口も聞けない状態です、と言ったのですがダメでした。」

 それで合点が行った。

 一旦、渡された印鑑を取り替えてくれとしつこく言って、

 「その方の印鑑の方が、名前が分かりやすい印鑑だから。」

 と、言っていたが、間違って銀行印を渡したので慌てていたのだ。

 最後まで、被相続人の通帳を渡さなかったので、相続手続きはしない事にして辞した。

 奥さんは、

 「どうせ銀行から引き出せないんだから全部渡した方がいいから。」

 と、言ったが罰の悪そうな顔をしながら、手放さなかった。

 私の方は、面倒な手続きが無くなって良かったと思い、相談者は相続関係がハッキリ証明できないが、通帳と印鑑を持っているので何か得られる気がしているようなので、双方得した気になっているのは不思議な気持ちだ。

 相続財産を引き渡す事が重要な仕事だが、その集約されている銀行口座を引渡している事になったので、行政関係への死後事務と家の残置物及び財産のチェックだけだ。

 相続財産の4パーセントが報酬なので、1000万円出40万円になる。

 その帰り道で、電話が旦那からあって、

「妻から言われて、相続手続きして貰うのに通帳を渡したいのですが。」

 「急いでいるので、戻れません。今度、機会を見て連絡します。」

 厚生労働省近畿厚生局に向かった。2時間弱で大阪市内の中心部に戻って来た。本局とは離れたビルに迷いながら辿り着いた。

 厚生労働副大臣にお願いした、居住支援協議会設立準備勉強会への職員派遣要請に対して、快く対応してして頂く事となってその基本的なセミナーの内容について打ち合わせだった。

 担当部署課長とお会いして、当日担当して頂けるのは課長代理と係長だった。そのうち今日は若い女性の係長が同席して、矢継ぎ早に質問を受けた。

 やはり、キャリア組の官僚は違う印象を受けた。質問を受けながら、私自身も自分の頭の中で方向性の纏めが出来た。

 戻って来たのは、夕方も遅くて暗くなり掛けていたが、昨日といい今日といい充実感たっぷりな日を過ごしていた。

 午後4時に、厚生労働省近畿厚生局に伺う事になっていて、逆算して遅れる事だけは避けなければならないと、時間を逆回ししながら朝7時頃からメールで動き出した。

 大阪府補助金事業の一部に、地域で活動する人材育成とライセンスを与えるとシステムを掲げていた。その運用マニュアルの作成を外注することにしていた。

 予算化しているので、その創設を担当してくれそうな方をネットで検索して2社に同じ文章を送った。

 その際、私宛に集客ポータルサイトから電話連絡を待っているお客様がいるメールに気付いた。時計を見ると未だ7時台なので、9時過ぎになったら掛けようと思っていた。

 それは、結局、掛けられなかった。外出先にて気付くまで忘れていた。電話番号を控えて来なかった。なんて勿体無いことをしたのだ。折角、大勢の中から選んで私に連絡が欲しいと言って来たのに。

 多分、既に、次の方を選択しているだろう。私がメールに気付いた時には既に19時間経過していると表示されていた。ということは、昨日のお昼頃に連絡していた事になる。奈良市の相続手続きの方だった。

 私が、新規事業のマニュアル作成依頼をしたのは、布団の中から午前4時台に2件だった。そのうちに一人から電話があった。話しを進めて行くと、どうも経験者では無い。

 商標登録の事を盛んに言って来るので、直ぐに分かった。ネーミングが大事だと論じているが、ネーミングなどあとの話でマニュアル作成の手順をどうするか、ライセンスの具体的な中身をインタビューするのが当たり前の事なのに、そう思いながら気のない返事をしている時に電話が来たので、切った。

 その電話に出た。商工会議所職員からだった。これから来たい、と言う。これから、出てしまうのだ。

 私も、居住支援協議会設立の勉強会に商工会議所からも参加してほしい、と思っているので案内書を渡したいと思っていたので、来て欲しいと日程調整をした。何度も候補の日時を言われたが、不在がちになってしまっているので、無理にこじ開けた。

 今度は、最近何度も電話がある家庭に事情を抱えた人からだった。離縁を考えて、一人住まいをしたいとの思いだったが、それでも気持ちが揺れていた。具体的な案件に移行しようとするが、踏ん切りが付かない堂々巡りのひと月もやりとりを続けていた。

 私も、話しを聞いて欲しいとの事だと最近は割り切って聞いていた。処が、今日は、

 「もう、どうしようもないほど大変な事態になって、眠れない夜を過ごしています。」

 そう言って、半泣きで告げて来た。

 内容は、私もその中に入ってしまう程、切羽詰まった話しだった。今までの私が経験して得たノウハウを伝授して回避して欲しい、と思ったが当事者ではなく、当事者の配偶者なので、限界を伝えた。如何に説得して早く対応するかによって傷口を大きくしないで済む、と何度か言った。

 心の中では、無償での資金提供を想定していて、別の自分が抑えていた。

 やっと事務所を出てマンションに戻って着替え出発出来た。マンション下の駐車場に停めてあるルーミーに乗って、出発前の動機付けに音楽を掛けた。今日は映画音楽を掛けた。

 三輪さんが来て出発出来た。途端に電話が鳴った。若い女性の声が流れる。冷静に、第三者的に言葉を少なくして、相手に話しを多くさせる。おもむろに、自分の置かれている立ち場を話し始める。

 若いのに、言葉使いが丁寧で、しっかりしている印象だった。その彼女がなぜそんな仕打ちに遭うのか。理不尽な世の中になったものだ。最近は、この様な男の身勝手な言動の犠牲になる女性が増えて来た。

 どうしたいのか、希望を聞いてメモする。私が出来る事を優先にして、彼女の了解を貰って、直ぐに別のサポーターに繋ぐ。

 サポーターから、解決に動いて今週中に対応して第一段階をクリア出来る報告があった。それに合わせて、当方の併走が必要なので適任の菊ちゃんに詳細の情報提供をして、相談者へのインテークヒアリングを行って貰った。

 これで、彼女の希望はクリア出来る。大阪市のリストを見て、幾つかのサポートセンターに相談したが、他は逃げてしまって対応してしてくれなかった様だ。