行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

外国籍の方からの相談は、初期から難しい。

 夕方になって、電話が入った。最初から、日本人ではないと分かった。難しいのは、濁点のある発音が出来ないのかしないのか。全く分からない部分と、分かる部分がある。
 何度も聞き返すのは悪いとは、思ったが、大事な部分は聞かないと分からない。
 どうやら、遠方の市役所に聞いて紹介を受けたらしい。最初の部分は何とか、分かった。その次の問題だ。自己紹介があったが、まさかと言う言葉を私は聞き違いだと思って、しかし、プライバシーに相当踏み込んでいるので、聞き返すどころかスルーしてしまった。
 本来は、そこがこの業務の対象になるか、という判定の部分だが、外国籍と分かると甘くなるのは、日本人の特性か。いや、昭和世代の共通認識ではないだろうか。当然、市役所もその点を考慮して私どもの方に、丸投げをしたのだろう。
 何をして欲しいのか、から始まって、そのして欲しい条件を引き出す。逆に、条件を確認する。発音で、氏名がハッキリわからない。ただ、西洋ではなく、日本に近い漢字を活用する国だと言う予想はついたが、国籍も聞けない。どこまで、聞いていいいのか判断に迷った。何かしら、言質を取られて抗議でも来たら困るのだ。そんな時は、絶対に役所は日本の業者を悪者に、外国人を良い人間にしたてて終わらせようとするだろう。
 「殺人」や「被害者」とか「子供二人」とかの言葉がかろうじて分かったが、それはないだろうと、思って、確認の面談を伝えた。
 一番の聞き間違いは、「シギノサト」と言う言葉にそんな場所があるのだろうか、後から調べて貰おうと、思って一旦切った。
 直前に、1週間に亘る定期的なガン闘病の治療に入院していた担当社員がこの朝自宅に戻った。申し訳ないと思ったら、相手はいわくありげな女性だし、女性には同性の対応が良いだろうと、今後の聴取や支援を依頼した。
 私が送った情報の修正は、「子供二人」ではなく、「子供と二人」だった。また、「シギノサト」ではなく、大きく違う「フミノサト」だった。
 また、「殺人」や」「被害者」は正しかった。既に、その方は、市役所との協議して受け入れを決めていたようで、後は、私どもが実現できるようにサポートするだけだ。
 ただ、遠方過ぎるのでスムーズに運ぶかどうか。
 こうして、見ると外国人は、自分たちで動いてある程度は下地を作って行政の確約を貰って、制度などを調べて動いている。
 日本人は、なんでも役所や関係機関がやってくれるとおもって、何もしない。本当に困ったものだ。