行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

 最後のお別れに間に合った。

 私が代理権を有している方が入所している老人保健施設相談員から電話が入った。
数日前に亡くなった母親に最後のお別れをさせてあげたい。その願いが叶えられる事になった。しかし、私には母親の火葬、葬儀や納骨などの費用を供出する代理権は無い。なので、週明けに施設を訪問して意思の後追い確認をして家庭裁判所に上申する事にした。
 ただ、この日葬儀場に同行した相談員から
 「お母様のご遺体とお別れして来ました。そうしたら、例の方が沢山の人を引き連れてお別れに来ていました。ある、宗教的団体です。」
 何と、先ず、この時間に約束したのは、私と葬儀社の常務とサシで決めた。
 その決めた事を事務方に言って、冷凍保存されているご遺体を溶かして死化粧し面会をさせたのだろうが、この過程で、その宗教団体と繋がっている女性に繋いだのだろう。
 その、女性が、なぜ、母親が亡くなった時点で居の一番に私に連絡してきたのか。当然の事だが、入所施設の担当者が連絡して来るのが筋だろう。その施設とその女性が繋がっているのか。気に成るのは、その母親の財産、特に通帳や印鑑だが入所施設にて保管されていたと言う。基本的には、その施設が入所者の財産を預かる行為は認められていない。正式に契約書を交わしているのか、それが問題だが多くの世間は行政も含めて目をつぶっている。
 多くの高齢者入所施設、特に特別養護老人ホームを運営している社会福祉法人は、地元の名士が多いので誰も、市長や知事さえも口出しできない。監査など、お手盛りが大半で、処分されるのは新規参入の施設ばかりだ。
 手続き関係は、老人保健施設に入所している娘さんが署名など出来るので行ったとの事。
 私の方としては、親族の葬儀関係の権利を所持していないので、火葬前、葬儀や納骨の経費を娘さんの財産から拠出するのは憚られるが、独断で支出して後から母親の財産を相続した時点で振替するる積もりだ。
 その直後、その葬儀社から電話があった。
 「先ほど娘さんが来られて、無事お別れを終えました。その時に、火葬証明書とお骨を拾われないという書類の署名して頂きました。しかし、死亡診断書への署名捺印をして頂く事を忘れました。大変申し訳ないのですが、代理で署名捺印をお願いしたいのですが。」
 「分かりました。後日になりますが、印鑑を預かって伺います。」
 「印鑑は、佐藤先生に預けてあると仰ってました。」
 私は、通帳とカードは預かっています。印鑑を預かった記憶はない。しかし、うちうちの話をする訳に行かないので、分かりましたと答えた。