行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

出所者と生活保護課に向かう

 この日は、午後から初犯の刑務所(名称は社会復帰促進センター)からの出所者の受け入れと、住宅確保と生活保護申請に費やした。
 午後1時に、某市役所生活保護課に入った。社会復帰促進センターから依頼されて、初犯の二人の受け入れを決めた。先月、近県にある当該社会復帰促進センターを車で2時間かけて訪問し、担当者と打ち合わせの後、依頼者と面談した。
 社会復帰促進センターの担当者の思惑か配慮か、深く犯罪を犯した罪を反省をしているのが感じられる方を最初に面談させて、次の方については心から受け入れが出来ない、と判断した方だった。
 処が、同行した心根の優しい不動産仲介業者が、
 「kenさんが身元引受人になって頂ければ、信用があるので大家さんも受け入れて貰えます。二人ともに受け入れたい。」
との希望が寄せられて、協議の上、受け入れを決めた。
 その2人のうちの一人が、この朝、社会復帰促進センターから出所した一人が当該市の待ち合わせ場所に向かって出て来た。当初、待ち合わせ時間は2時頃にした。私のサイクルが午後は2時頃にならないと身体がしっくり来ないので、多くの時間は午後の場合は2時頃に設定する事が多い。
 しかし、当該社会復帰促進センターの職員から
 「移動時間に余裕があると他に寄り道して、僅かしかない所持金を使ってしまうので、ギリギリの待ち合わせ時間設定でお願いします。」
 と言われた。
 ネットで経路と要する時間を調べて、当方が指定した駅に12時と決めた。その待ち合わせ場所は、当初決めた銀行前から、もっと分かり易い、ブラックジョークではないが駅前交番の前での待ち合わせに切り替えた。
 午後1時に市役所での合流をする事になった。事前に、当該社会復帰促進センター職員から、出所者が生活保護の申請する相談しに行く事を伝えて貰った。
 やはり、国の機関である社会復帰促進センター職員から連絡して貰っていたのでスムーズに事は運んだ。直ぐに別室に通されて、生活保護課の担当者を紹介されて、本人、不動産仲介業者に私の3人が座って今後の手続きの説明を受けた。
 前列に二人が並んで私が後列に一人で座った。コロナ禍が最悪の状態で、どこもここも危険な環境に置かれて、気を許せない。出来るだ密集地を避けて、人との接触を回避している。
 ここから1時間以上に亘って生活保護費を受給する注意や手続きの説明を受けた。初めての立ち会いで、どのようなヒアリングが行われるのか、よく分かった。私は、説明があった生活保護費での支援の他に福祉の支援を受けたいものを聞かれて、就労や医療の考えや要望事項を伝えた。
 問題は、金銭の件だ。僅かしか所持金が無い。部屋は確保したが、設備は無い。布団も茶碗も箸も、何もない。それを、どうしのぐかが課題だが、私の領域ではないので口は出さない。出来ないことは、相談されても出来ないので殊更触れない。
 巷間言われる、生活保護費の受給拒否的な言動は担当された職員からは無かった。当人も非常に好感がもてる態度でスムーズに行った。
 ただ、幾つかの問題があった。本人確認が出来るものが無い。例えば、住民票の請求書する際の本人確認書類。通帳を作る際の本人確認書類。マイナンバーを作るのに、本人確認書類。何一つないのだ。ただ、あるのは出所を証明する公的な書類だけだ。それでは、本人確認にならない。
 私は、自分の経験を話をした。私は、この大阪に来た時には彼と同じ状態で、新聞紙を敷いて、新聞紙を被り眠った。翌日、安いスーパーで布団を購入して1キロ以上を担いで来た。普段でも、1日1食でおにぎり100円のを購入するかどうか、躊躇して購入しなかったこともあった。
 しかし、いつものように不動産仲介業者から、
 「自分が出来たからといって、人が同じことを出来るとは考えない方が今の世の中に合っている。」
 免許証は持っていない、保険証は無くした、通帳も無くしたと言うから生活保護費の振り込みが出来ない。携帯電話も購入出来ない。
 困ったものだ。良い考えも方策も見出せない。生活保護課職員もどうして良いか分からない。