大嫌いなバレンタインデー

2024/02/14 00:01

　全く、認知症的行動が酷くなって来た。午前中が終わって、マンションに帰る時に三輪さんに、

　「佐藤さん、上着を着て来なかったのですか。上着じゃなくて来て居るのは宮城県の法被ですよ。」

　と、言われて来て居るのを見ると、事務所の中で着ている法被だった。通りに出て歩いて居たのですれ違った人は、なんだろうと思っただろう。本当に、お恥ずかしいです。

　朝早く、始業時間前に来る者がいて、インタフォンが鳴った。誰かと思ったら、大阪市鶴見区事務所のサービス提供責任者だった。なんの用事かな、と思ってドアを開けた。大きな紙袋をて持って居た。そうか、また、この時期が来たのか。

　私はバレンタインが大っ嫌いである。若い時から、面倒な事は嫌いで渡されても返すので、私が出社する前に机の中に入れてあった事もあった。もちろんのこと、私など多くのチョコレートを受け取れるような人間ではない。全て、義理だった筈だが、受け取るとだんだんとエスカレートして、クリスマスなどの高級なブランド品が机の中に入って居たこともあって、何度か翌日にそっと返却したことも何度かあった。

　そうして、大阪に来た。この１４日は、恐怖で出社しなかったり出庁したり、不在をする事が多くなった。そうすると、前日とかもっと前に何かと私の手に渡るように図る。本当にやめて欲しい。

　ただ、今日も朝チョコレートを持ってた女子社員は、大目に見て感謝の言葉を言って受け取っている。彼女なりの私への感謝の心遣いなのだろう。

　大阪市鶴見区の事業所は、同僚同士の軋轢があって、彼女以外のスタッフ、管理者以下同僚がことごとく彼女を悪者にして、問題は全て彼女の責任のように私に入れ替わり立ち替わり、彼女を排除しようと言って来た。

　私は、自分がこの目で確かめない限り誰の言葉も信用しない。結局、悪さして次々と辞めて行く。彼女だけ誰に誘いも受けずに、ずっと支えてくれて今に至っている。

　付き合って居た男性に癌が見つかって、勤務先を退職した。その男性と結婚した。彼女から求められて、非常勤で男性を雇用した。

　実は、彼女もコロナ禍前に健康診断でステージ１の癌が見つかった。その話しは、他の同僚から聞いた。私には、辞めさせられるのではないか、と黙って居たようだ。その事を知って、厳しく叱責して、私が調べてその部位の専門病院入院させて。退院後も通院させて最善を尽くして、完治まで面倒を見た。

　欠勤だとか、給与を減らすとか、そんな非情な事はしない。顧問の社会保険労務士に相談して、最善の制度を使って収入は減らないように会社が負担して復帰して貰った。

　それらに加えて、トラブルを引き起こしても失跡などせずに。励まして気落ちややる気を失わないように配慮した。会社に致命傷を与えるようなミスでなければ、私が頑張ってカバーすれば良いと思っている。

　そんな事が重なって、彼女なりの配慮なのだろう、と思って遠慮なく彼女の行為は素直に受け取ったが、あまりにも多くのチョコレートに、少し申し訳なさが生じて、素直に喜べない。困った事で、私がこの大阪を去るまで続きそうだ。

　さて、今日のそんな事があって、今日は１４日ではないか。もし、そうだとすれば自分が推進してやっと到達した市役所にて行われる居住支援協議会の設立総会で自分が挨拶をしなければならない日で、そんな日だとはすっかり忘れて居たと、焦って何度も日付を確認した。今日は１３日で、１日前だと確認出来てホッとした。

　仕事は、公正証書作成が終わって公証役場にチェックをお願いするメールを送信した。やっと、今日やる最低限の仕事が終わった。そうだ、もう年も年なので１日１業務で行こうとこの時思った。無理をせずに、余裕を持って行こうと思う。

　営業の電話があった。いつものIT関係の営業である。最後の追い込みの時に、電話があったのは携帯電話へだ。どうせHPを見てだろうが、この時点では誰かわからない。ただ、いつもの営業トークの様に、ゆっくりしゃべり私の名を言って、