午後２時から、豊中市にて緊急連絡先を受任契約して、相談者の人生の過程で継続的なサポートに繋がる打ち合わせをする為に１１時半に事務所を出発した。

　予定では１時間強掛かる想定で居た。途中、昨日手術して入院している被後見人が入所している有料老人ホームから電話が入った。

　「入院先の病院から連絡があって、○○さんが病室を出て院内を徘徊しているので、病院では対応が出来ないので、引き取って下さいとの事なので迎えに行こうと思って居ますが、よろしいでしょうか？」

　「手術したばかりで大丈夫でしょうか。」

　「抜糸とかは、近所の医師でも出来るので大丈夫です。」

　「折角、徘徊に対する為に個室にしたのに。施設側で対応できるのであれば、お願いします。」

　全く、高齢で暫くは大人しく過ごすだろうと思って居たが、手術したばかりで徘徊するなんて想像もしなかった。

　丁度、方向的にメイン道路から側道に入る様に三輪さんに指示をしたかったのだが、掛かってきた電話のお陰で通り過ぎてしまった。事故で全く動かなくなった国道で途方に暮れた。

　なんとか道を逸れて予定より３０分遅れて目的の駅前ホテルに着いた。直ぐに入館してエレベーターで４階のレストランに入る。待ち合わせ２時まで、９０分の余裕があるので昼食にした。

　いろいろ考えたが、宮古島牛使用のハンバーグランチにした。１６５０円は少し高いと思ったが、他のメニューはもっと高額でこれが自分には妥当だった。

　驚くまでも無いが、ウエイターだけでなく、シェフも外国人だった。オマケにホテルフロントも外国人が行って居た。それも全て女性だった。これが、人手不足の日本の現状だ。気付いた時には、生産性の悪い日本人の職は失われている。

　約束の２時まで３０分になって、人によっては早く来て待つ人と時間ギリギリに来る人がいるがどちらだろうと思って、食事を終えてコーヒーに移っていつ現れても良いように名刺をテーブルの上に出して、お渡しする資料のファイルを取り出してテーブルの上に置いて準備し待った。

　丁度２時近くになって、菊ちゃんからのメールに気付いた。見ると、９時３４分着信になって居た。可笑しい。何度もスマホを見て居たのに着信したのを確認できなかった。

　私の居る事務所に来たいと書いてあったが、既に豊中市に着いて、菊ちゃんが来たいと言って来た時間には非常勤の行政書士が来て居た。残念だが、来週になると思う。

　その様に、返事を打ち込んでいる時にレストランに入って来た女性がいた。直ぐに、顔写真を送って来た女性だと分かった。手を挙げたと同時に、気付いて席まで来て名前を呼んで確認する。

　緊張したが、落ち着いた雰囲気で警戒心不要の方という印象で安心した。メールでのやり取りしている時から、賢い雰囲気があって緊張しながら気遣って返信して居た。

　時候の挨拶では無いが、この場迄はどのくらいの時間を掛けて来たのか、などと意味のない話しをして、緊急連絡先が必要になった経緯を聞いた。

　先日の女性と同じで、親を看取ってから公営住宅の居住して居たので、親名義での賃貸住宅から退去しなければなら無くなって、転居するコtになってマンションを購入する事も検討したが賃貸住宅を確保する方向に動いて勉強になって、色々とこれからの人生で必要な事を知ったという。

　私の方は、失礼だが若い方が何故っていう疑問を解消する為に先ず年齢を聞いた。それに対して、必要となった理由を話して暮れた。余りにもしっかりして居て、どこまでこの様な制度に熟知しているのか聞いておいて、間違いや中途半端な言葉を吐かない様に職業を聞いた。

　目的の契約説明に人生の中で、いつの時期に何が必要性が出て来るのか、人生年表を健康期や認知症発症期の様に図示してあるパンフレットを示しながら、事務委任，任意後見、遺言、死後事務、金銭管理、安否確認、保証人などの必要な事項の話しをした。

　暫く、説明した後に何故自分に辿り着いたのか、を聞かせて貰った。公営住宅を退居する際には、何が必要なのかを知って、新たな住居を借りるには保証人とか最低限に緊急連絡先が必要だと知って、SNSを検索するとそれらの受け入れをしてくれる先を紹介するポータルサイトがあるという。

　民間事業者やNPO法人や士業などあって、その一番最初に当行政書士事務所が出て来ると言う。色々と各事業所に電話したという。緊急連絡先でも民間事業所は最初５０万円とか８０万円とか支払うと言う事だった。

　NPO法人は、法人名でしか緊急連絡先にならない、個人名は受け入れない。住居を申し込んだURからは個人の緊急連絡先を求められて、結局、行政書士という事務所を構えて信用のおける私の行政書士事務所を選択したという。

　神戸も近いので、そこの業者に問い合わせをしたが、何もする訳では無いのに毎月１万円とか２万円とか支払うので、それだったらそれを貯めて将来に使った方が良いと思って、毎月更新する時に支払うだけの当方にしたと言う。

　示した契約書の条文の内容の質問が幾つかあって、分かりにくいので修正しようと思った。少し個人情報に踏み入った事を聞いたが、快く返事して貰った。

　遠方まで来たが、気持ち良く過ごせたので、本当に良かった。明日は休みです。久しぶりに、外出せずに午前中だけ仕事して心身の休養に当てよう。