行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

千客万来

 不埒な話しが、知らない間に人情噺になって行く。

 大学附属病院へ緊急入院した患者の各種支援を依頼された。その一つに居住物件の明け渡しがある。

 事情があって今月中に明け渡したい。それは、金銭的な余裕が無いので家賃を一月でも支払い回避したかった。

 その為に、ゴミ屋敷となっている部屋にある動産や残地物処理の一任を取り付けて業者の手配や費用の支払いなどの手続き代行として室内の整理に産廃業者への発注を行った。

 独居にしては3LDKは広過ぎるのに、加えて余りのゴミ屋敷振りに29日の初日だけでは終わらず、この31日も残りの残置物を搬出する作業に移行した。

 その作業が始まる前に、管理者で有りマンションのオーナーからの言葉は正論だったので至急対応せざるを得なかった。

 つまり、産業廃棄物業者が来て作業をした結果、賃借人に必要なものが無くなったと後日責任追求されたら、立ち会った管理人の責任にならないとも限らない。

 正式な、私佐藤への委任状なり契約書を示してくれという訳だ。口頭では病院MSW、職場の人事担当者、私、三輪さんなどが立ち会って、本人が動産と残置物全部廃棄する様に言ったので直ぐに行動に移した。

 本来、不動産オーナー兼管理人には当事者同士の契約書や廃棄書などの私文書を見せなくても良いのだが、賃貸物件の契約書上一月前の退居告知義務があるのだが、家賃支払い回避で認めて貰うので、その文書を朝一番でFAXした。

 その要求をクリアする為に、昨日、入院先の大学附属病院に行って、患者に動産及び残置物の廃棄書と金銭管理委託契約書に署名押印を頂いた。

 それを受け取ったオーナーから電話があった。それまで、なにも示さず作業に入って居る行為に何かと正論で追求して来たのが、今日の朝の電話は一転して低姿勢になっていた。

 契約書内容の再確認して、一旦、電話を切った。間を置いて再び電話がオーナーからあった。

 何と、一月前の退去行為を何とか認めて貰って一月分の家賃負担を回避したのに、実兄が支払いをすると言ったという。折角の苦労を何で台無しにするのか。

 その上、保証人でもないのに、やはり実兄が立ち会って引き払った後の鍵の返還や立会人として部屋の中の点検に立ち会うと言う。

 私が実兄と話した時には、滞納家賃の負担や諸々の負担をしていて、もうこれ以上負担はしない絶縁すると言っていたのに、またこのお兄さんが保証人でもないのに負担すると申し出て居ると聞いた。

 なので、このオーナーが、私が金銭管理をしているならその中から実兄に返してやってくれと言って来た。

 それに対して、

 「私は金銭管理をして居るだけで、代理権も無く自分の判断で出金は出来ません。お兄さんから弟に申し入れしててくれればありがたいです。ただ、支払いの優先順位があり、入金も退職するのでどの程度入って来るか予想できない。」

 そう言って、申し訳ないがわたしの判断では出来ない旨の説明をした。

 オーナーの自分が、前家賃の請求書をしなければ終わりだ。自分はエキスを得て、他者の金銭で恩を売る手法を平気で口にする事を出来るのは大阪人の特徴だ。

 

 そんな早朝からのやり取りで今日はスタートした。直ぐに、次の仕事に取り掛りたかったが、最近はなにもせずにじっと静かに座って考える時間を得る事が多くなった。

 暫くジッとして、やっとやる気が生じて依頼のあった借地権付き事業用不動産賃貸契約書の公正証書原案の修正と情報を貰った内容の組み入れを始めた。

 処が、新規事業の協働事業者から電話が入った。先日から契約条項の協議を行なっていて、合意に達して契約書に押印するばかりになっていた。

 その法人のポータルサイトに、独自の当方のマッチングシステムを掲載して貰う事にしてくれる様に要求していた。

 その協議を何度か行なっていたので、公正証書にする不動産賃貸契約書の作業がストップしてしまった。

 ポータルサイトは、M&Aのマッチングサイトで業界を絞って挑戦してみようと思って居る。

 やっとM&Aのマッチングサイトの話しが終わって、再び、不動産賃貸公正証書原案を作り終えて依頼者に送信した。

 

 午前中の仕事を終えようとした時に、以前、面談をして広島市からの移住を支援していた方から電話があった。移住など本気かなと疑心暗鬼だった。何故なら、移住をしようと調べて得た結論は何と守口市のそれも私が居る大日に来ると決めたのが、信じられない事だった。

 全国でここが一番だと決めたのだ。冗談でしょう、と5月連休前に転居前の下見を兼ねて広島市から来たので面談した。

 やっぱり絶対に来ると言うので、それでも信じられなかった。5月中に転居すると言っていた。不動産仲介業者を紹介して決めてしまった。

 それでも、信じられずに忘れてしまっていた。それが、転居して来たと連絡して来た。独居なので今後の支援をお願いしたいと言う。生前から死後事務委任迄の話しをして欲しい、と言われて来月、早々にお会いする事にした。

 その同じ様な、和歌山市からの移住者の支援を行っていた。保証人迄は行かずに、緊急連絡先となって住居賃貸契約が出来た、との報告が午後にあった。

 それに付随して、私が行う義務行為の確認と緊急連絡先契約、入金などの処理をする事になり、これもまた来月に時間を確保してお会いする事となった。

 門真市地域包括支援センター管理者から、居住確保の依頼があって、条件を聞いた。しかし、何と言うか生活保護受給を前提ににしては条件が高くないですか。ある訳がないでしょう、と言いたい言葉を飲み込んで不動産仲介業者に流した。

 駅近く、トイレとお風呂がセパレート。エアコン付き、聞いて居るだけで急いでいると言いながら、残念だが見つからないだろうと思っていた。

 夕方になって、支援していた方が亡くなるまでお世話になった施設から返金の連絡があった。

 全く金銭を所持していない方の生前及び死後事務委任契約を行なって、市役所生活保護課と連携しながらボランティア覚悟で対処した。

 依頼を受けた時点で、容態が悪化して入院後看取り前提で施設入所する。在宅時の介護保険サービス利用請求が届く。

 生活保護費も施設経費を細い年金と合わせて、支払いすると殆ど残らない。憂鬱になっていた。入居一月半で逝去する。

 清算が始まった。前納していた家賃を返納させ、6月に少ないが年金が支給される。そうして、今、連絡のあった施設からの前納していた返金が為されるので、ボランティアだったのがそうではなくなり、規定の報酬は得られそうだ。