行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

契約者倒れ緊急対応と心に残る素晴らしい相談者

 今日も大きく動いた。

 昨夜、時計を見たら0時5分前だった。被後見人候補が入所している有料老人ホームの施設長から電話が入った。丁度、携帯電話を手にしている時で、一瞬たじろいだ。

 何度か、緊急で搬送されているのでいつでも最悪の事態を考えている。その上、奥さんも別の有料老人ホームに入所しているが先日容態が悪化して緊急で病院へ搬送されて、入院した。

 奥さんは、半年前まで何の問題も無い生活を送っていて、旦那さんの支払いなどの金銭管理を行っていた。

 それが、教科書通りの認知症へゆっくりと進展して行く。時に訪問して、旦那さんの成年後見審判申立の書類作成を進めていた。申立人の奥さんの幻覚症状が見られ始めて、誰もいないのに、

 「誰かが覗いている。」

 そう言って、訪問してもドアを開けなくなった。

 連絡しても、電話に出なくなったので、ケアマネジャーが心配して警察を呼んでドアを強制的に開けて中に入ると、意識を失って倒れていた。

 緊急入院して、意識は快復したものの正気には戻らなかった。故に、旦那さんの成年後見審判申立は頓挫してしまった。

 奥さん自体は、移行型任意後見契約、死後事務委任、遺言書などの公正証書を作成してあって、執行人が私になっている。

 奥さんは認知症になっても大丈夫だが、完全に認知症の旦那さんは、数年前から認知症なので奥さんがこの様に認知症になって申立人も居なくなった旦那さんへの支援は、以前、奥さんと交わした旦那さんへの生前及び死後事務委任契約だけだった。

 その契約に基づいて、昨夜連絡のあった旦那さんの入院手続きを、別件の相談者の面談が終わった3時に守口市を出発して、夜7時に戻って来るまで契約に基づいてクタクタになるまで対応した。

 守口市の、堺市から来た相談者の面談場所を出て1時間八尾市の総合病院へ着く。受付で、昨夜救急搬送された旦那さんの入院手続きに来た事を総合受付で告げて、

 「健康保険証はお持ちになりましたか。」

 と、聞かれたので

 「患者が入所していた施設の長が届けて居ると思いますが。」

 暫く、調べて

 「受け取っていない様です。」

 そう言われて、出発する前に施設長に確認したところ、

 「保険証、薬、着替えを届けました。」

 と、報告を受けているので、施設長に電話して確認した。

 「先ほど、電話で保険証を届けたと言っていましたよね。」

 「これから出ます。」

 何だ、嘘だったのだ。

 昨夜だけでなく、いつも旦那さんが緊急搬送される時に付き添って行くのが施設長だった。この保険証を届けてくれるのも施設長だった。一体いつ休暇を取っているんだ。

 それを知れば、嘘言うななどと言えません。その旨を総合受付に伝えて、入館証を貰って8階の入院病棟に行って、担当者から入院手続きの説明を受けて書面に署名押印した。

 しかしながら、入院本人の印鑑は所持していない。押印欄があって、代筆しただけで印鑑が施設に無いか、有るなら施設長が保険証を持って来る時に持って来て欲しい、とメールした。

 返事が無いし、再度、来るよりも100均の店を探しに行った。徒歩で15分の近鉄八尾駅に向かった。特殊な姓なので見つからなかった。今の時代、押印が必要だろうか。そう思ったが、口に出せない。

 窮余の策で、「ノ」が「之」の文字で代行する事にして、小さいし気付かれないのでは無いか、そう思って購入して、病院へ戻った。再度、8階に上がって担当者の代わりに看護師さんが書類を持って来たので、押印して終えた。

 終わった時には、既に5時近くになっていて、疲れを感じたので地下のコンビニに行って、アイスクリームを購入して一休みした。

 この総合病院に来る前に、いつものイオンモール内に有る「丸福珈琲店」にて、保証人及び緊急連絡先という一連の契約相談について相談者と1時間程お話しをしていた。

 契約書は、画一で大きな変化は無いのだが、相対する人の性格や受ける印象は人それぞれだ。

 そのそれぞれでも、これ迄で数百人面談したが一番の好印象だった。人格者と言うか、尊敬できる方だった。

 経済的にも自立的にも問題がなく、それでも、言葉に出せない理由で、と言う前提で必要最低限の情報を頂いた。

 目的に向けて提示した内容的には問題は無く、しかし、生きて行くと言う命題に向けたアドバイスが的確に悩みの解決に大きなヒントになった様で、何度も感謝された。

 比較的若い年齢の方で、幾らでもこれから修正が効くし、お話しが出来て大変良かったと何度もおっしゃっていた。

 1時間後、

 「一連の契約や遺言の書類作成代金など含めてどの程度準備したら宜しいでしょうか。」

 「別に負担は有りません。」

 「そんな事、申し訳ないですのでお支払いさせて下さい。」

 「別に必要は無いです。契約内容がスタートしたら、毎月、そこに書いてある年額をご負担頂きます。その上、残置物放棄や遺言にて寄付或いは基金への提供が有ります。」

 「今日のご相談料はお幾らでしょうか?」

 「多分、多くの士業の方は相談料を頂きますが、私は相談料を頂くことは有りません。」

 その他、朝10時からM&Aの連携契約について、zoomで事業者と協議した。合意に達して、展開が出来ることになった。フリーハンド部分が多くて、今後が楽しみだ。

 病院内でアイスクリームを食べていた時に、最近は居住支援協議会設置についてお世話になっている議員から電話があって、今後のより発展的展開について、協働する打ち合わせを明後日行う事にした。

 医科大学附属病院MSWから、新たな相談案件が示されて近々訪問して協議する事になった。

 数日置きに電話を掛けて来る京都の相談者が、今日も掛けて来ていつもと同じ様な話しを続けて、何も前に進まないのは、自分で上手く処理出来るのに出来ない様に持って行くのは、話し相手が欲しいのか。

 沢山の予定があったが、緊急で総合病院への対応があったので、全て翌日に持ち越した。