行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

誰も、自分が死ぬとは思っていない。

  先日亡くなった息子さんからの相続手続き等依頼を受けた。相続人は、高齢のお母さん。次回訪問時の時間を無駄にしないように、調査したい事項について、一般の銀行とは異なる手順と合わせて次の訪問可能な日程を仲介者のケアマネジャーに送った。
 そのケアマネジャーから、お昼頃に電話を頂き、気付かずに電話を取ることが出来ず、折り返し掛けた。
 ゆうちょ銀行の相続手続きの手順があり、決められたデータを定型様式に書き込んでゆうちょ銀行相続担当センター出して、それに対して必要な資料など求めて来る。ゆうちょ銀行は多くの高齢者が利用しているが、いざ、払い戻しの時には面倒な一般の銀行にはない手順がある。
 その様式をFAXで示して項目を埋める作業を面談をしながら進めて行く事を話しして、訪問日程を今月の27日午後2時からとした。
 また、同時に葬儀保険のシステムを問い合わせ頂いたので資料を準備して説明させて頂いた。情報を頂きたいとの内容は、当社が提供している葬儀保険を使った死後事務についてだったが。
 私は、どの業務もそうだが、訪問当日初めて会った日に契約を結ぶ事はない。必ず、ゆっくり検討して下さい、と言って資料を置いて退席する。加えて、必ず立会人を得た上での契約になる。
 そうして、業務に対する報酬請求は全て終わってから、納得して支払いを受ける。手付金とか中間で頂く事はない。その間の経費は立て替えて最後に報酬と合わせて受領する。
 その葬儀保険に対するケアマネジャーの質問があった。
 「パンフレットを見させて頂いたのですが、毎年、少しずつ値上がりして行くので、ずっと生きて居たら支払い金額の方が高くなって、貰う方が低くなりませんか?」
 「20年位掛けたら、そうなるかも知れませんね。」
 誰も、長生き出来るなら保険など入らなくていい。何故、皆さん、死が迫っている訳でもない若い時に生命保険に加入するのか。誰も事故が起こると分かって自動車保険や火災保険に入るのだろうか。
 今回の対象者は、80歳を超えている。ケアマネジャーは、何歳まで生かす積もりか。
 「ゆっくり考えて決めたら良いと思います。」
 「それだったら、一定の金額を預けておいて死後事務をして貰った方が良いかも知れないと思うようになりました。」
 身寄りも親族も、全く皆無だ。
 それでも、死んだ後の損を考える。他人は死ぬが、誰も自分が死ぬとは思わない。
 「他にも、何か提案があったらお願いします。」
 「死後事務に合わせて、事務委任・任意後見などを契約して、預託金50万円で実行する契約もあります。
 そう、その契約の実行者である自分も、他人は死ぬが自分は死ぬとは思って居ないから、契約が結べる。