行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

レアケースだが、老老世帯にはよくある話

 朝、10時半にはマンションに戻りたいので、少し早い仕事終いをする為に密度の濃い仕事をする。
 12時には、マンションを出て堺市の施設に行くので、その目的は成年後見審判申立人だった方との事務委任契約を結ぶので、その内容に見合った契約書を作った。
 実は、夫が認知症でグループホームへ入所していた。その夫の成年後見審判申立の準備を妻がしていて、申立人も妻であり、申立書への添付資料として必要な住民票や戸籍謄本の取得が必要と伝えてあった。
 しかし、この半年以上目的のものを取得するのに時間が掛かったり、別のものを取得したり、また、収支を出すのに夫の入所している施設が必要な請求や領収証を出せなかったり、多くの手続きが進まず今に至っていた。
 そうして、通帳は現財産を証明するためのコピーを撮るために私が預かったが、キャッシュカードや印鑑は妻が所持していた。
 その妻が、突然の精神疾患が発症した、とケアマネージャーから連絡が来たのは、ひと月半前だった。その時期は、妻が自分の将来を案じて、事務委任・任意後見、契約、遺言、死後事務委任契約の公正証書を作成して、公証人役場にて手続きを終えて数日後の報告だったので、そんなに変わり果てているのかと、想像もつかなかった。
 ケアマネージャーと、待ち合わせして妻と面談した時には、大きく変貌していて取り付く島の無かった。一旦、様子を見ることにしたが連絡が取れないと、ケアマネージャーと警察官が強制的に自宅に入って、倒れているところを収容した。
 緊急入院を経て、現在の高齢者住宅に転居した。この一連の経過が、僅かひと月にも満たない期間にて起こっていた。
 従って、成年後見審判申立ての手続きが一旦ストップして、その妻の言動と心身の状態の推移を見守っていた。その状態をこの目で確かめないと、今後の手が打てないと施設を訪問して探り、私への認識が理解できて、これまで私へ夫の今後のことを託していたという記憶があるような症状によっては、夫へのサポート委任契約を交わして、実行に移さないとたちまち夫の施設生活が出来なくなってしまう。支払いなどが出来なくなってしまうのだ。
 その為に、午後から、車で2時間近くの高齢者住宅に妻を訪ねた。
 私の事も覚えていて、夫の件もお願いしますと言われて、契約が交わされたのでホッとした。
 今のうちだったら家庭裁判所のインタビューにも耐えられる、この機に、成年後見審判申立をしないと夫は施設から退去させられるので生活がダメになる。戸籍謄本と住民票だけ不足だったので、委任状を頂いて取得する様に相談者のケアマネジャーに伝えた。