行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

特異な環境に動くが、成年後見人として、これからが大変。

 先日、老人保健施設に入所中の成年被後見人の審判が下った。その、初回事務報告書作成に必要な、通帳だけを受け取りに施設に行った。クラスターが発生して、玄関前では病院の車両が停まっていて、その移送車に施設入所者と思しき人が一人座っていた。移乗作業をしているのは、この猛暑の中全身防護服に覆われていた作業員だった。
 玄関に入ると、入館ストップと言う張り紙が出されていて、相談員が暫くして出て来た。
 「クラスターが発生して、こんなとことで申し訳ありません。」
と、沈痛な面持ちで、謝罪していた。
 私も、感染が怖いので、中に入るのを遠慮しようと思っていたが、表現は悪いが良かった。
 この施設に入所中の方の、成年後見審判申立てを行って、先日、審判が下りたのだが、余りの環境の変化に、これからどのような形で財産調査や相続財産調査を実施するのか、考えるだけでも頭が痛くなる。
 この方は1月に、この施設に入所した。病院からの転居である。糖尿病で順次両足切断をしたので、精神的に悪化してしまった。施設では、その間、家族がその経費支払いを行っていたが、その家族が急死してしまった。その直前には、90歳を超える家族が特養に入所する。つまり、家族3人すべてが、その家に住んでいない。
 急死した家族は、スタジアムで亡くなったので不審死となり、家族2人が入所中で引き取り手が居なくて、無念仏として合祀された。それも、地元ではなく、遠方で。金銭管理をしていた家族が居なくなったので、たちまち支払いが滞る。
 認知症発症した入所者は、支払いをする能力を失っていて預貯金に手が付けられないので、成年後見人の審判申立てを行って先日下りたので動き出した。
 しかし、問題は、その亡くなった家族の相続財産がどの程度かこれから調査に入るが、誰も住むことが無くなった自宅へ入ることになる。不審死として処理した警察が入った時には、足の踏み場もないくらい荒れ果てていたと言う。
 その家族が亡くなった時に、無くなった方の友人だと言う者が施設に電話を入れて来て、自分が代理として対応してあげるので、と鍵や通帳の引き渡しを言って来たと言う。
 加えて、どうやら、その亡くなった家族が近隣の知人に家の鍵を預けているらしい。何が残って、何が無くなったのか、全く分からない状態だ。
 また、その亡くなった家族が使用していた車両がどこにも見つからないという報告が、警察署からあった。
 もし、相続物件があったら、90歳を超える家族との分割協議になるのか。これからが大変な仕事になると思うと、気持ちが重くなる。