行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

強硬に自分の意思を通す認知症高齢者には仕方がないのか?

 昨年来、医療系ケアプランセンターのケアマネジャーさんから、認知症を発症していると思われる方への成年後見審判申立て支援要請があった。その方への強硬なプランを聞いて驚いた。
 「本人には内緒で、精神病院へ入院して貰う様に手筈は調えて居ます。強制入院で、病院まで行けば何とかなると思います。その為に、ご親族に3日午後来て貰う事になっています。」
 そんな事、普通のことの様に話をするのに驚いた。
 時代は、大きく変わって認知症患者といえど人権を護るための、周辺の方、関わっている医療、介護、民生委員などが何度も検討し已むに已まれぬ措置を取る際のシステムが出来上がっていて、その実行に向けた研修などが行われていて、その研修を終えた者が家庭裁判所に登録されている。私も、昨年長時間に亘る研修を終えて無事修了者として登録されている。
 その学習をした私にとっては、この言動は認知症患者への意思確認支援のルールなど意識にないと感じてられても仕方がないのではないか。
 しかしながら、私の思いは、この場面では関係がない、と思って成年後見審判申立ての手続きがスムーズに行くようにサポートする気持ちに切り替える。
 私は、当事者ではなく、支援者なので勝手なことを言っていると反省する場合もあるが、1日がかりで駆け付ける親族にその言動を報告する。独居のご本人は、今現在、確かに認知症状を表に出す。通帳は無くす、人が来ても暴言を吐いて話を聞かない、それを、我慢してケアマネジャーがずっと、支援して来た。
 しかし、それまで食事を運んで来ていた知人が入院してから、食事に事欠くことになった。その時に取った行動が、自分では悪いという思いはなく、スーパーでの食料品の万引き、飲食店での食い逃げなどの行為が見え始めて、警察沙汰になりかけている。
 そうして、数日前に、ケアマネジャーとお話しした時には、金銭に困って近所のお店にどこに持っていたのか、200万円の定期預金証書を持って行き、200円貸してくれと言ったと言う。心配になって、そのお店の人がケアマネジャーにその定期預金証書を持って来たと言う。もう200万円も200円も同じで金銭感覚もないのだ。
 ケアマネジャーが、ご本人を銀行に連れて行き、通帳の再発行、印鑑の変更などの手続きを何度となく、行っているが、もう銀行もこれ以上認めない回数になっている。
 自分の認知症を知らずに、独居で生きているのは素晴らしいことで、周辺がそれを支援して、市ぐるみで認知症患者が一人でも生きていけるシステムを構築している市もある。
 さて、どうなるか分からないが、私も当日立ち会うこととなった。
 併せて、飼い猫の行方も、相談されたが、経験上、入所施設の担当者に探して貰った事を告げた。