行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

老老と孤立と無縁との人生の非情を感じる場面

 神戸在住の平均寿命を超えた高齢者方が成年後見審判の申立人となって、私を後見人候補者として名前を搭載させて欲しい、と依頼のあった。その成年後見審判申立の審判決定通知が家庭裁判所から送達にて後見人候補者としての私に届いた。
 相談時点から、驚いた事に、高齢者であり病を抱えて、その上、配偶者が重篤な病で寝たきりであり、数時間に一度痰の吸引をしなければならないという大変な介護をしながら、大阪市内に住む血縁者の支援をして、自宅での申立書の作成だった。
 その被後見人となった血縁者は不治の病に倒れて、先日、治療の効果を認められずに最後の入所施設への契約が行われた。
 また、感激というか、感動したのは、その高齢の申立人ご自身が脳梗塞に見舞われて、身体的な障害ではなく記憶障害が出て言葉や漢字が浮かばない、と言う障害が出ていると言われた。出来るだけサポートしたいと申し出たのにも関わらず、身近な方の不義理な金銭的な行為が念頭にあって、私の申し出を断り提供した審判申立ての様式や戸籍謄本や財産の裏付け資料を準備する一覧表に応じて地道に作成し準備した。
 病に倒れて、自分の意思を失った被後見人に代わって一族の頭領として、凛とした姿勢に終始して頭の下がる思いだった。後見人候補者として、家庭裁判所から、修正や再提出資料などを出来るだけ応じ申立人の負担のならないようにサポートして家庭裁判所に届けて正式申立から1週間で審判が完了した。超特急で審判が下りて、全て審判申立て内容通りになり、単独受任をした。これだけの、多額の財産であれば後見監督人が選任される恐れもあったが、単独受任でホッとした。
 これからが大変だ。被後見人は独居であり、家族は居ない。多くの財産を所持していて、申立人が親族として初めて被後見人の家に入って確認した財産だけではない、株の配当で暮らしていたと言われてこれから、証券会社を中心に多くの二桁の通帳を有しているので銀行に財産調査に入る。
 被後見人も親族の申立人も超が付く高齢者だ。その為に、相談があった時点で相続も視野に入れて受任して欲しい、と言われている。その相続内容も、ある程度は聞いている。
 それにしても、被後見人は小さい頃から身を粉にして働いて、事業を興してやっと休める年代のなっての不治の病と認知症では人生の非情を考える。
 これから、2週間の告知期間を経て、改めて私が成年後見人だという事を東京法務局に登録される。そのあと、登記事項証明書を得てから始めてその証明書をもって銀行や証券会社へ被後見人の代理人として活動できる。


 今日の午後から、出張する。宿泊する。
 事務委任契約者が施設で転倒し大腿骨頸部骨折した。その救急搬送入院から数か所の転院、など代理人として書類へのサインや支払いなど全て対応した。
 最終のリハビリテーション病院から退院する日程の連絡が来て、それが遠方の病院で早朝の退院となった。その退院手続きや療養費の支払いなど、施設に戻る連絡調整、を行ってからケアカンファレンスに臨む。
 私は、出張費や宿泊費など請求しない。勿論、掛かった時間の報酬は頂くが、遠方でも応じてこれまでも長崎や岡山、福井など観光を兼ねて出掛けるので出張費は無料だ。