行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

たまには、皆様の参考になるか、仕事の話。

 新たな問題が浮上して来た。今まで気付かずにきたが、困った事になった。数週間前に、事務委任・任意後見、遺言、死後事務委任の公正証書を作成した委任者が、簡潔に言うと精神に異常が確認された。
 ケアマネジャーから、少し以前から情報があった。幻覚幻聴が出て来て、ケアマネジャーに生活の全てを世話になって頼りにしていたのが、一転して関わりを拒否する行為に走り始めた。
 どうしたものか、先日、ケアマネジャーから相談を受けて、急遽、遠方ではあるが早朝に任意後見等委任者宅を訪問した。ケアマネジャーが電話して玄関まで出て来て貰ってドアを少し開けて顔を出した。
 その顔を見て、直ぐに完全な精神障がい者となっているな、と悟った。今まで、アパートの自室で何度か話し合って夫の成年後見審判申立の準備をしていた。
 しかし、数日前を境に、態度が一変してケアマネジャーの入室を拒否し始める。当然だが、私も入れない。少し話し掛けると、
 「話ししないで、聞こえない。」
 と、言って唇に指を立てて、黙るように仕草をする。
 誰も周辺に居ない。誰かが覗いているようなことを言うが、誰もいない。話しをしようとすると、黙って、と強く言う。
 そんな状況を見て、強硬な態度は取れないな、と話し合いを諦めて早々と事務所に戻った。そうして、1週間後の今日である。朝一番に電話がケアマネジャーから掛かって来た。
 「相談者に何度か電話しても、応答がありません。部屋から出た気配も有りません。どうして良いかわからなくて、警察へ連絡しようと思います。」
 「そうして下さい。その後、何かあったら連絡下さい。ただ、事務委任行為は委任者が正常な時に指示に従い行うので、加えて手続きに必要な鍵や印鑑など何も預かっていないので何も出来ませんが。」
 その後、保管してある公正証書を確認した。
 正常な状態にある時に、事務委任行為が出来るが、必要な物を受けた後で行う事になっている。何も受けていないし、本人から依頼も受けていない中では何も出来ない。
 それでは、その後の任意後見はどうか。任意監督人の選任申立てをするが、申立てに必要なものが揃わない。例えば通帳や診断書、戸籍謄本などだ。初めて任意後見の申立てを行うが、出来ない事実にぶち当たった。
 一体誰が、何を行うのか。ケアマネジャーが、警察官と共に自宅に入った。動けない状態で、生きていたので安心したとの報告。暫くして、救急搬送されて入院したとの報告が続く。
 このまま、どう推移するのか。