行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

白い巨塔からの相談者への感情


 朝8時に、昨日に続いてzoomで事業展開の学習を行った。残念ながら、内容が稚拙で主催者の事業PRが長々と始まったのがセミナーが始まって20分程度経過した頃から始まって終わりそうも無いので、30分過ぎに退室した。


 朝10時に、枚方市にある巨大な関西医科大学附属病院MSWに患者から相談があった案件の詳細な事情を聞く為に9時に事務所から枚方市へ向けて出発した。

 40分ほど走行して病院に着いたがこれまでの経験が何の役にも立たない程の大人数と車の数に圧倒された。1日平均2千人以上外来患者と千人近くの入院患者と多くの見舞客に同行付き添い、700人の医師、千人の看護師、病院内の案内ボランティア、喫茶店の従業員、そうして今日打ち合わせさせて頂いたMSWなどの職員を加えると小さい村人を遥かに上回る人が大きな器に押し込まれて居る。

 約束した10時が病院では一番ごった返して居る時間だという。退院時間10時と言われた。

 さて、そんな大賑わいの病院へやっとの思いで駐車が出来て、巨大な病院内に入る。退院支援の窓口に多くの相談員が忙しそうに応対していて、窓口に近付くとサポートするスタッフが声を掛けて来る。

 この相談支援の窓口に到達する前にも振り分けを行うのだ。相談支援の人が交通整理をしている暇は無いのだ。ふるいに掛けられて残った者だけが窓口に到達して、相談できる。

 私もやっと窓口に到達したが、窓口の方に声を掛けて、

 「今日10時に、相談員の〇〇さんとお約束しています佐藤と申します。」

 「後ろに席でお待ち下さい。」

 そう言われて、待合室の席に着いた。

 暫くして、電話では盛んに連絡しあっていたMSWが事務所から分厚いファイルを沢山抱えて出て来て、面談室に招き入れられた。

 同時に見慣れないというか、見慣れていると言うか、高齢の「あばれる君」が一緒に入って来た。

 それぞれが初めてなので、名刺交換を終えると、MSWに電話が入って離席した隙に高齢の「あばれる君」に

 「失礼ですが、相談者とはどの様な関係の方ですか?」

 「職場の人事の者です。」

 驚いた。

 私の聞いていたのは、相談者が成年後見の申立が必要で司法書士に頼んだ。私の方は依頼者の賃貸物件の解約と退去支援を依頼された、と理解して訪問させて頂いた。

 その事と、職場の人事担当者と同席の理由があると思うが、これから説明を頂けると思ってMSWが戻って来るのを待っていた。

 暫くして戻って来ると、成年後見用医師の診断書を目の前に示された。

 「ちょっと待って下さい。この方の成年後見用診断書ですが、初めて見る名前ですが。」

 「未だ、記入する項目がありますが認知症テストスコアが、この程度です。」

 「それは、私共に成年後見人をお願いしたい、との事でしょうか。」

 「はい、宜しく頼みます。」

 内心、話しが違うと戸惑っているが、動揺を悟られずに冷静に返した。

 MSWは忙しい。直ぐにご本人との面談となって、病棟へ移動するする事になった。

 広いフロアを急いで動くMSWの後ろを小走りに追い掛けて、エレベーターは大きいのにぎゅうぎゅう詰めで、それでも乗ろうとする人を制するMSW。

 ご本人が入院されているフロアで降りて、談話室に入る。職場の人事部門の方と、MSWがご本人を呼びに行っている間に自己紹介を兼ねてお互いにこの場に一緒になる経緯を聞き話しをした。

 何しろ、MSWは忙しいので、殆どの説明や注釈がない。

 MSWが、看護師同行でご本人を連れて来ると同時に、前触れもなく

 「佐藤さん、聞きたい事をなんでも聞いて下さい。」

 そう言われて、これから必要となる事項について質問を始めた。私の立場、申立人となる方は誰か。財産の関係、収支の関係、住居の関係、親族の関係などなど。

 その上で、都合の悪い事は答えない。ダンマリ戦術。その部分が大事なのだが、MSWや職場の人事部門の方が答える。

 一番急ぐ事が、自宅の退去だ。後から、MSWから聞いたが、自宅へは戻れない。元気で認知症のテストスコアも高い。なのに戻れない、と言う事は何か不治の病を得ているとしか考えられない。

 家賃も高い。解雇で失業するので先払いの為に今月中の明け渡しをしなければ、高額家賃を取られる。その上、MSWの話しでは、ゴミ屋敷になっていると言う。

 職場での取り扱いを確認した。一般社会の長期休暇への処置は厳しいと実感する。職務が国家公務員に準ずるので、最低でも制服を処分せずに返却して欲しいと要望された。

 多くのお話しの後、生前整理を行うのに月末明け渡し迄に時間がないので、三輪さんに業者に連絡を取ってもらって何とか31日に終える様に手筈を整えた。

 私の頭の中にある問題は、支払いの問題である。この関西医科大学附属病院の支払い、部屋の明け渡しに伴う整理費用、次の病院の保証人と身元引受人、医療費など。

 借金が相当あって、支払いが滞っていると言う。明け渡し時の復元費用。

 収入が会社から解雇される今月迄の収入、賞与、退職金でどの程度有るのか。その後の事を考えると一体どうなるのか。

 話し合いが終わってから、再び、階下に戻ってMSWの面談室で、他のスタッフを交えてこれからの協働について話し合った。

 三輪さんと2階にあるスターバックスにて、私は抹茶オーレ🍵、三輪さんがタピオカ入り抹茶オレ🍵を頂いた。

 月末迄に退去しなければならない相談者の自宅を確認しに出掛けた。地域で一番の繁華街の一角という一等地にある8階建てのマンションの最上階であり、家賃も高い。

 しかし、借入金がかなり有って、MSWの話では、法テラスを使って自己破産手続きも検討していると言うが、趣旨は違うような気がする。

 身分不相応な生活をしていて、借金を重ねて返せなくなったから逃げ道の自己破産をして、使い放題だった金は返さない。

 一通りの仕事を終えて、こんな遠方でも三輪さんが知っている店に入って昼食を摂った。

 淡路島からの相談者に面談に行って貰った長男から面談の様子の報告が入った。予想した通りの結末だった。

 戻って来て、朝、パンフレット作成をお願いした印刷屋さんから連絡が入った。何年か越しの依頼で、本当に申し訳ないと思う。

 沢山の原稿までしか進まず、やっと落ち着いて来たので、作成に取り掛かった。社長は昨年11月市会議員選挙に立候補して当選したので、大分ズレたがお祝いの言葉も添えて発注した。

 御礼と共に、これからのやり取りを話し合って、コンタクトは東京在住の方との校正など行う事となった。

 夕方になって、ハローワークから求人に対する応募があったと、成年後見センター職員から連絡があった。