行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

命に関わる、初めての事件への奔走

 さて、事件である。大東市の本社から、利用者が危篤状態で救急搬送されたとの緊急報告が来た。搬送された四條畷市の脳神経外科病院を聞いて直ぐに向かった。

 何が、どうなって救急搬送されたか、担当ヘルパーさんが、憔悴し切った顔をして立っていたので、話しを少し聞いてからICU前でご家族様に何はともあれ、謝罪する。

 そのあと、ICU前にて担当ヘルパーさんに、詳細な経緯を聞いた。当社としては、初めての命に関わる事故事件なので、私も何か罪の意識を感じていた 

 担当ヘルパーさんが話したその内容は、

・いつもの様に入浴介助を行っていた際の事故で、入浴中に湯船にて意識を失ってしまった

・通常、ヘルパーさんは脱衣所にて待機していて、出て来た利用者をバスタオルで身体を拭く

・利用者は視覚障害者で身体を洗うとかは自分で出来る

・この日は、娘さんが来ていたので脱衣所で二人で話しをして利用者がお風呂から出て来るのを待っていた

・いつも決まった時間に脱衣所に出て来る

・しかし、この日は、時間になっても出てきませんでした

・おかしいと思って戸を開けて風呂場を覗くと、湯船で気持ち良い顔をして未だ湯船にて入っていました

・未だ入浴しているんだと思って戸を閉めました

・しかし、やっぱりおかしいと思ってもう一度戸を開けて様子を見ると、赤い顔をしていたのでおかしいと思って声をかけました

・返事がないので、お風呂場に入って顔を見て触ると熱くなって返事も無いので湯船に入って栓を抜き、お湯を無くしてから救急車の出動要請をしました。

 その話しをして、ヘルパーさんは本当に悪い事をしたと謝罪して来たが、何も悪い事はないので、その旨を伝えた。

 娘さんも、何も悪い事はないのでヘルパーさんの責任追及はしない様に、退職させない様にと言って、

 「亡くなったとしても、寿命です。」

 と、言って当社には一切責任が無いと言ってくれた。

 直ぐに。市役所介護保健課に事故報告を、口頭で行って今後の必要な手続きを問い合わせした。ケアマネジャーにも報告に行き、文書による事故報告の指導を受けた。

 ケアマネジャーは、介護支援専門員会の会長で、これまでも多くの業務を頂き、詐欺講習の救済アクション時にも支援してくれた。

 事故に遭った利用者の、サービス提供のケアカンファレンス時の記録を見させて頂いて、確かに入浴時には脱衣所で待機となっていた。

 事故報告書を作成して、市役所介護保険課に提出すると、

 「現時点では、貴社の落ち度がない事がケアマネジャーへの確認して解っていますので、府への報告は控えて起きます。今後、家族からクレームがあれば府への報告、事故調査になると思いますので、ご家族様への充分な対応をお願いします。」

 と、言われた。

 病院に戻って、担当したヘルパーさんを含めて、当社関係者と家族の娘さんが押し黙ってICUの前に待機していた。

 暫くして、担当医がICUから出て来て、

 「レントゲン写真を見ると肺が真っ白です。今日の夜が山場です。」

  そう言われて、一層、心が重くなった。

 以後、は次回に。


 夕方、菊ちゃんからメールが突然、来た。ここ3年ほどがんサバイバーで、月の半分くらいは治療や入院加療中だ。毎月、入院や投薬や点滴、放射線治療などの苦しい闘いを続けている。

 退院すると虚脱状態で、立ち上がることは勿論、移動する事すらままならない。そんな風に言っていた。余りの苦しさに、治療を諦めて死へ向かう方を選択する方もいると言う。

 彼女が、その闘いに根性で立ち向かう様に、あらゆる支援を惜しまない。その期間は、静かに見守って、治療が終わって自宅で療養して出勤して来るのを、いつも静かに待っている。

 その入院加療中の菊ちゃんが、突然、メールして来た。対応している住宅確保要配慮者が深夜2時頃メールして来たり、心配になって返信したり電話しても出ない、と言って、

 「気になって、夜も眠れない。」

 とのメールだった。

 私でさえ、連絡する事すら憚られる。それなのに、この相談者はかなりの我儘、男性とは話が出来ない、などと私や不動産会社の従業員の電話は出ない。

 どうしようもないので、着信拒否や電源を切って置くように指示してした。明日、仲介者にも、以後、連絡など禁止して支援打ち切りを通知する事にした。

 先月、地域包括支援センターの社会福祉士を対象に居住支援制度のセミナーを行ったが、受講した社会福祉士から業務の依頼が来た。

 初めてのお付き合いのでなる方からだったので、ワクワクしながら説明をして、社会福祉士が直接相談者との打ち合わせに移行出来るように配慮してくれた。

 午後から、銀行に行って入金や振替手続きを行った。続いて、有料老人ホームに行って、立ち退きに対する入居手続きの代行を行い初期費用の支払い手続きを行った件の領収書を受け取った。それを添えて、生活保護の転居手続きを行う。

 全て業務が終わってから、京田辺市まで足を伸ばして、食料品を調達しに行った。

 暑いくらいの陽気になっていた。