行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

 私も老化が始まっている。

 午後から、施設へ認知症か精神的な疾患か、自分のことが分からなくなったと言う報告があって、面談に出る前に自分の大きめの財布を確認した。
 無い。いつも入れているバックのどこを見てもない。無いのは分かって居ても、他のバックを見る。勿論、無い。自分の物を置く範囲は決まっているので、そこを探すが勿論無い。 どうやら、事務所に忘れたようだ。時々、カードや入れてある領収書を出したりするので、置き忘れたのかも知れない。
 マンションから出発する予定だったが、再び事務所に向かった。事務所の机やテーブル、偶に書類を入れ替えるバックなど確認した。どこを探しても、見当たらない。
 その財布には、金融機関のキャッシュカード、クレジットカード、交通系カードなどの金銭に関わる関係の何十枚と現金1万円札10枚は最低入れていて、1000円札も1万円分を目途に入れている。
 そのほか、マイナンバーカードや保険証、診察券などとともに、宝くじ、ポイントカードが入っている。つまり、私の財産関係、本来は家にあるべき貴重品全部を持っているのだ。
絶対に忘れないように、大きな財布にしている。
 これまで使っていたバックを、数日前に購入した。65000円だったが、チャックの閉まり具合やこれまで使用していたバックと仕様がことなるので、何となく納得できないままに買ってしまった。
 今までのバックは、チャックが壊れてしまって、閉まらない。そうえ、肩掛けに使うベルトが破壊されてしまった。どうしようもなく、京阪百貨店に行って見繕ったのだが、良いのが無いまま、決めてしまった。地方の百貨店は、上得意のお客様が高齢化しているので、それに合わせた品揃えなのだ。
 これまで、何層かに分かれていたバックの中なのだが、今回は一つしかない。なので、書類の中に財布が隠れてしまう。購入後に失敗したかという意識と、一体どこに忘れてしまったのか、という色々な意識が交錯した。そうして、もし、見つからなかった場合の手続きが膨大であると、考えに至った。
 再びマンションに戻って、部屋を探す。無い。無いが、ある筈のモノが無い。持参するものが少なくて外出する際に、資料などを移し替える肩掛けの小型のバックが無い。ということは、車の中に置き忘れている可能性がある。
 直ぐに、駐車場に行く。あった。何という事か、昨日、車から降りるときに置いたまま手ぶらでマンションに戻ったのだ。その中に、大事な財布があった。事なきを得て、約束時間に間に合うように到着した。