行政書士から拡張業務へ

基本資格行政書士を活用して代書屋からの展開

『振り込め詐欺師』とのやりとり③

出張続きで、やっと時間が出来ました。


おかしいという気持ちが優って来た。
 「ちょっと高額なので、支払えるかどうか残高を確認しないと分からないです。」
 「手元に通帳が無くて、残高が分からず支払えるか分からない、という事ですね。4時頃までに振り込んで貰わないと解約手続きが出来なくなります。何時位に確認出来ますか?」
 「仕事をしているので、4時迄に間に合わないです。」
 この頃には、余裕が出て来た。詐欺師の焦りを感じるようになって、もしかしたら振り込め詐欺師ではないか、と疑惑が湧いて来た。
 「仕事は何時までですか。」
 「5時頃までです。」
 「それから、自宅に戻って6時位ですね。」
 「そのくらいだと思います。」
 「その時間に電話頂けますか?」
 「分かりました。」
 その間、15分位相手は話し続けているが、完全におかしいと思った理由は、立板に水といった放しぶりに、NTTコミュニケーションズ職員がこれほど饒舌に次々言葉が出て、電話番号の確認をネットでさせようとしない様に続ける言葉。今すぐさせようとする、時間や行動を求める。いよいよ核心に触れる。
 「銀行名だけでも、振込み予定の銀行名を教えてくれますか?」
 と、来てこれから口座番号を聞き出すのだろうと思って、どこまで話してどこから、逆に嘘を言ったらいいだろう、に変わった。
 「三菱ですよ。」
 と言って、このくらいだったら問題はない、と思った。後から、銀行名も出鱈目言えばよかって。それより何より、docomoの支払いは、自動引き落としなので、本当にNTTコミュニケーションズだったら自分達が分かっているはずだ。未だ続けて話をしようとするのを、
 「仕事をしているんですよ。忙しいので。」
 と、言うと慌てて、
 「6時には電話を下さい。」
 言ったが、もう、これ以上話す必要がないので切った。
 もう少し、逆に楽しめば良かった、と切ってから思った。
 後から、気付いたが、最初、本人確認と称して自分の生年月日と本名を伝えてしまった。
 そうして、振り込ませようとしてダメだと思うと、銀行名だけでもと言って来た。銀行名の次は、口座番号を聞き出すのだろうが、通帳が手元に無いと言うと自宅に戻ってから電話をくれという。
 金が無いと言うと、半分貸し付ける制度があるので、半分だけでも振り込めるか、聞いて来る。最初、現金封筒で返金と言ったが、多分、後から、振り込みの方が良ければ、と言って口座番号を聞き出すシナリオかも知れない。そのあと暗証番号に繋がっていくかも知れない。
 最初から、銀行名、口座番号、暗証番号では不審に思われる、と思ってシナリオがある筈だ。
 さて、勿論、6時に電話などしない。替わりに6時12分に詐欺師から電話があった。出なかった。
 これは3度目も詐欺師からの電話で、過去2度は、中国語だったしもう一つも分からない言語だった。カタコトの日本語が交じっていた。直ぐに切った。