緊急搬送に係る事務手続きへ
成年被後見人が入所して居る有料老人ホーム施設長から緊急連絡があって、緊張が走った。
「Iさんですが、数日前から食欲が無くなり座位も取れなくなって危険な状態ですので、救急車を呼んで入院して貰って宜しいでしょうか?」
と、聞いて来た。
何を、施設と提携して居る医師は居るし定期的な訪問看護が入っている筈なのだが、そんなこと言っている余裕は無いだろうと思って直ぐに同意した。
暫くして、施設長から連絡があって、入院先の病院名や住所など伝えて来た。少し遠方だが、設備は近代的で医療レベルも高度だと思うので、一安心だろう。入院手続きに午後から向かう予定を立てた。
そう言えば、その成年被後見人の報酬審判が昨年家庭裁判所から下りたので、保管してある通帳から引き出す手続きを行ったが、残念ながらカードが使用できないなどのアクシデントが発生して居た。やっと、先日、法務局にて登記事項証明書を得て、自分の立場を証明して彼の預金があるゆうちょ銀行へトラブル解消の手続きをしに行った。
何かしてくれて、大丈夫と言われてもATMで操作したが、ダメだった。そのまま、緊急搬送先の病院へ直行する。途中に何度も病院から連絡があって、医療同意を求められた。当然の事ながら成年後見人は医療同意ができないと断って、兄弟が居る実家の電話番号を提供して同意を貰うように伝えた。
私が教えた電話番号が該当がない、との音声が流れると麻酔医が訴えて来て、他の携帯電話番号を知らないか、と聞いて来た。病院に向かって居て手元に分かるものが無いと事情を伝える。麻酔医という事は、手術を要する症状だと思った。
病院へ向かいながら、私も繋がんないと言う電話番号の実家に電話した。直ぐに発信音が鳴って暫くすると家人が出た。成年被後見人の弟さんの奥さんだと言う。私の素性を言い、成年被後見人の入院のお話しをする。そうすると、病院から電話があったと言う。弟さんは外出中で、暫くすると戻ってくると言う。
病院へは1時間程で到着する。午後3時だった。巨大な最近出来た病院で、あまりの威容に驚いた。直ぐにインフォメーションで入院手続きが3階と言う事でエレベーターで上り、そのフロアの圧倒的な広さにまた驚く。百貨店のワンフロアの様な広さだった。
総合案内で入院手続き窓口を聞き、8番から10番までの窓口と言われて一番奥まで歩いて大勢の人が高級な背もたれが高い椅子に座っている中の一人になった。待ち人数38人と表示されて居た。
番号が呼ばれるまで3時間待機して居た。呼ばれても、予備手続きで本番の窓口まで仕上げる書類を渡されて席で数多くの書類に署名した。一つだけ、連帯保証人欄は成年被後見人が成れないので空欄にする。入院中の備品や消耗品などは全てレンタルや購入にチェックした。金銭は余裕があるので、何度かの入院中は、ご本人の財産であるので快適な入院生活を送れる様に全てにいつもチェックする。
記入した数多くの書類を手渡して、また、暫く待った。その間、昨年末に鳥取に出張して大阪在住で入院中の患者への支援手続きの説明に行った親族から電話があって、教えて欲しい事があると言う。後日日程調整して土曜日に来阪したいとの事だったので了解する。
やっと窓口に呼ばれて、手続きを終えた。入院保証金を求められて、立て替えて預託した。連帯保証人を書いてくれと言うので、実家に電話して、弟さんの了解を得て代筆した。終わると、入院した病棟へ呼ばれて担当ナースに求められた沢山の書類へ署名など行った。
その後、手術後の成年被後見人との面会を行って、声を掛けた。顔が浮腫んでいた。臓器への菌が入り込んだと言う原因で意識障害を引き起こしたという所見だった。手術後の意識朦朧状態だった。
一連の作業を終えて帰路に着いた。都合4時間の院内手続きだった。1時半に出発して6時間後の7時半に戻って来た。成年後見人冥利に尽きる手続きだった。緊急入院と聞いた時には、最悪の事を考えて葬儀社への連絡準備をしたのが、無駄になって良かった。


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